【大阪市】約42万人が来場した特別展「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」が大阪に!
2月6日(火)~5月6日(月・振休)まで、国立国際美術館で特別展「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」が開催中です。内覧会に出席した筆者が、展示の見どころなどをお届けします。
古代都市の遺跡群
35もの世界遺産があるメキシコ。今回はその中でも人気の高い、古代都市の遺跡群のうち「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という3つの文明に焦点をあてた展示会です。
メキシコ国内の主要博物館から厳選した、古代メキシコの約140件もの至宝が集結。近年の発掘調査の成果を交えて紹介されています。
会場内写真撮影OK!
貴重な品々がそろう展示会ですが、なんと会場内は写真撮影OK! 気になった展示を共有できる喜び……。展示品は細かい細工や美しい色使いのものが多く、写真映えすることまちがいなしです。
ただし、個人での利用に限ること、フラッシュ撮影や動画撮影は禁止などの注意事項がありますので、会場でご確認くださいね。
トウモロコシには神が宿る!
展示会は4章構成で、
第1章 古代メキシコへのいざない
第2章 テオティワカン 神々の都
第3章 マヤ 都市国家の興亡
第4章 アステカ テノチティトランの大神殿
となっています。
第1章「古代メキシコへのいざない」では、3つの文明に共通する4つのキーワードを紹介。そのひとつがトウモロコシ。今も昔もメキシコの主食であり、マヤの神話には「人間はトウモロコシから作られた」という一節があるのです。
メキシコではいまでも、トウモロコシの粒には神が宿ると信じられているそうですよ。
もうひとつは天体と暦について。農耕のためには正確な暦が必要で、天体観測が熱心に行われており、そこから太陽暦や宗教歴など、さまざまな暦が生まれました。
メキシコシティで出土した「夜空の石版」の両端には金星と星、中央にはワシと兵士が描かれています。戦争や生け贄になってなくなった兵士の魂は、太陽と共に天球上を旅するという使命があったのだそうです。
世界遺産を体感できる再現展示
会場では、パレンケのパカル王と王妃(赤の女王)の墓やアステカの大神殿(テンプロ・マヨール)、テオティワカンの三大ピラミッドなどを、パネル写真や臨場感あふれる4K映像を使って再現展示しています。
第2章のテオティワカン 神々の都では、「太陽のピラミッド」と「死のディスク石彫」がお出迎え。先住民の世界観では、太陽は一度沈んだ(死んだ)あと、東から再生すると考えられていました。
頭蓋骨をモチーフとした「死のディスク石彫」は、地平線に沈んだ(死んだ)太陽を象徴していると考えられています。
テオティワカン遺跡には、街の中心を通る死者の大通りに沿って、太陽のピラミッドと月のピラミッド、羽毛の蛇ピラミッドという3つの巨大建造物があります。
展示には、ピラミッドの写真パネルと現地の4K映像を使用しており、まるでその場にいるかのような雰囲気を味わうことができます。
ピラミッド付近では多くの生け贄儀式も行われており、生け贄と共に奉納された品々など、ピラミッド付近からの出土品も展示されています。
謎のマヤ文字
古代マヤ文明のマヤ文字は、いまだ解読が終わっていない謎の多い文字です。人物や動物をかたどった具象的なマヤ文字は、暦とも関係が深いことが特徴で、優れた書跡は芸術品として愛好されていました。
会場にはマヤ文字の石版も多数展示。ガラスなしの場所も多いので、じっくりと鑑賞できます。
そして、マヤ文字書跡の最高峰とされ、歴代の王の即位が記された「96文字の石版」も展示されています。全然読めない……けれど、上の解説と見比べてみるのも面白いですよ。
初来日!マヤの「赤の女王」
今回の展示で見逃せないのは、初来日となる「赤の女王(レイナ・ロハ)」。こちらは、メキシコ国内とアメリカ以外では、日本が初めての公開となります。
辰砂(しんしゃ)と呼ばれる赤い鉱物に覆われて発見された「赤の女王」は、400年から800年頃に隆盛した、都市国家パレンケのパカル王の妃とされています。
赤の女王は、一体誰なのか。じつはまだはっきりとわかっていません。パカル王墓の隣に葬られていたため、王と関係が深い人物とされていますが、DNA分析では、王と血縁関係にないことがわかりました。そのため、母ではなく妃である可能性が高いのだとか。
死亡推定年齢50~60歳。骨粗鬆症を患い、ほとんど歩けない状態だったとみられるそうです。そんなことまでわかるんですね……。展示を眺めながら、200年にわたる王朝一族の物語に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
古代都市を体感できる展示会
会場の外にはアステカ文明の「鷲の戦士像」顔ハメパネルも。王直属の鷲の戦士団に所属した高位の戦士といわれているこの像に、顔をはめ込めるとは……。ぜひ戦士になりきって写真を撮ってみてくださいね。
神秘的な古代都市の遺跡群を体感できるこの展示。筆者はマヤ文字に心を奪われました。非日常空間で、古代文明に思いを馳せてみませんか。
そして同展はグッズも魅力的。グッズに関しては、こちらの記事で紹介しています。
取材協力:国立国際美術館
<特別展「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」>
期間:2月6日(火)~5月6日(月・振休)
会場:国立国際美術館(大阪市北区中之島4-2-55)
開館時間:午前10時~午後5時 毎週金・土曜日は午後8時まで ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※ただし、2月12日(月・振休)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館し、2月13日(火)は休館
入場料:一般2,100円など
※中学生以下無料(要証明)
※大学生・高校生の方は証明できるものをご提示ください
※心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)
※本料金で同時開催のコレクション展もご覧いただけます
お問合せ:国立国際美術館
TEL.06-6447-4680
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