守らずに攻めるからレジェンドアイス!2023 年ロングセラーアイスの改良リニューアル特集
アイスクリームには牛乳・乳製品、砂糖、卵黄、チョコレート、植物油脂などが使用され、海外乳原材料や砂糖、油などの高騰、包装資材にかかるコストや物流費の高止まりが続いており、一部メーカーを除き物価高による値上げの中、2023年のアイス業界では、定番商品のリニューアルが相次いでいることをご存知だろうか? そこで、今回は各メーカーのロングセラー商品のリニューアルポイントに注目し、発売歴順にピックアップしてみました。
今回のリニューアルは、さらなる美味しさへの追求!
ロッテ「クーリッシュ バニラ」/発売歴20年目
今年で発売20周年を迎えるマイナス8で飲むアイス「クーリッシュ」が3月下旬よりある部分がリニューアル。それは、商品を口に入れた瞬間の「味わい」。
「クーリッシュ」ブランドの特徴は、チアパック容器にアイスが充填されており、ボトルキャップを開封し飲み口をそのまま口へ運んでしまうと商品の中身を目にする機会は他の商品と比べるとほとんどありません。
しかし、商品の中身を容易に確認することができないからこそのリニューアル。「クーリッシュ」は、“マイナス8”で強い味わいだったり喉越しを楽しめるように計算されて製造されています。
現に、風味の強度を見直し続けており、風味強度はグラフの通り味わいのトップ立ちをより改良し、後切れの良さも追及することによって絶妙な高低差を目指しました。
飲むアイス「クーリッシュ」の飲み頃についてブランド担当者へお伺いしたところ「固い状態から容器を両手で揉みほぐし、全体的に柔らかくなりましたらマイナス8に近づいき飲み頃のサインです」
確かに、商品を指で押すとゆっくり沈み全体的に柔らかくなった頃に食すと口の中で美味しく楽しめる状態なりました。これがマイナス8の世界なのか!ぜひ、皆さんもおためしくださいね。
フタバ食品「サクレレモン」/発売歴 38 年目
4月より順次、フタバ食品「サクレレモン」が約5年ぶりにリニューアルすることが明らかになりました。
「サクレレモン」の“サクレ”はフランス語で「神聖な」という意味で、1985年の発売からスライスレモン入りのカップかき氷。現在に至るまで、カップデザイン、容器の素材からレモン果汁・果実の見直しをしてきました。
リニューアル前は、レモン果汁・果実が7%だったところ、今回のリニューアルで8%へ変更。レモンの香りと風味をより楽しめるような仕上がりになっていました。
今回のリニューアルについて広報担当者に確認すると、「“サクレ”は数年に一度、試食モニター調査や市場調査の結果をもとに、その時代でより好まれる味わいへとリニューアルを行っております。」と教えてくれました。ロングセラーブランドだからこそ常に時代の変化を捉え、顧客ニーズに応え続ける姿勢に感動を覚えました。
「サクレレモン」以外のリニューアル情報はこちら
赤城乳業「ガリガリ君」/発売歴42年目
3月中旬より約20年ぶりに赤城乳業「ガリガリ君」のアイスキャンディーの中に含まれる“氷の粒”がリニューアルされました。
ガリガリ君の氷は、ゆっくりと時間をかけて凍結させた不純物の少ない氷「純氷」に、後からシロップを混合させたものです。硬く溶けにくい純氷を使用することで、"ガリガリ食感"が実現しています。リニューアルに伴い、純氷をより粗く削り、大きい氷の割合を増やすことで、さらにガリガリとした食感を目指したといいます。
実際に試食してみると、「ガリガリ」っとした食感のインパクトが大きくなった気がします。従来品とリニューアル品の断面を見比べると…。
確かに、氷粒が大きくなっていました! ぜひ、みなさんも食感をたのしんでみてくださいね!
森永製菓「チョコモナカジャンボ」/発売歴51年目
3月上旬よりアイス界のサグラダ・ファミリアこと森永製菓「チョコモナカジャンボ」のある部分がリニューアルされました。
2021年3月に同社「バニラモナカジャンボ」にモナカ皮がしけにくく、パリパリ食感を長く保てるようにアイスとモナカ皮を仕切るチョコの壁(ホワイトチョコ)が開発され先にリニューアルされていましたが、今回、「チョコモナカジャンボ」でもチョコの壁が採用。
個人の感想にはなりますが、チョコの壁の存在の大事さを知ることになりました。チョコの壁によって、アイスの水分移行が遅らせることができ、アイスなのにお菓子を食べているようなこの上ないフレッシュさを覚える“パリパリ“の改良であると思いましたが、おそらく「チョコモナカジャンボ」の担当者はさらにモナカをパリパリにさせる次なる一手を考えているに違いありません。ぜひとも、皆さんも食べてみてください!
井村屋「あずきバー」/発売歴50年目
井村屋「あずきバー」は、今年で発売50周年を迎えられ、3月13日(月)より「あずきバー」シリーズのリニューアルが公式ページ内で発表されました。
今回のリニューアルでさらなる安全・安心であずき本来の風味を追求した商品として、リニューアル。
「BOXあずきバー」は2010年以来、13年ぶりのリニューアル、「あずきバー」は2013年以来、10年ぶり、そして、「BOXあずきバーミルク」「BOXあずきバー抹茶」は2018年以来、5年ぶりのリニューアル、「あずきバーミルク」「あずきバー抹茶」は2014年以来、9年ぶりのリニューアルになります。
井村屋公式ページ/「あずきバーシリーズ」リニューアルのご案内の情報はこちら
「あずきバー」の誕生背景は「ぜんざいを凍らせたようなアイスができないか?」という発想から1973年に誕生し、今回のリニューアルでは、さらなる安全・安心であずき本来の風味を追求した商品として原材料のコーンスターチをあずきパウダーに変更することで、使用原料を減らし、クリーンラベル化(※1)がされました。
また、あわせて「ミルク金時バー」「宇治金時バー」も、「あずきバー ミルク」「あずきバー 抹茶」と商品名を変更し、原材料も見直しよりおいしくリニューアルされています。
あずきの風味を活かした親しみやすい味を守り続けてきた「あずきバー」シリーズは、これからも変わらぬおいしさを追求し、お届けしますとのこと。
ちなみに、こちらがリニューアル後の井村屋「あずきバー」の断面。
シンプルな素材で作られたアイスだからこそ素材の味わいがストレートに感じられ、あずきの粒立ちもたまりません! 是非、お試しください!
協同乳業「ホームランバー」/発売歴63年目
※リニューアル品「ホームランバー マルチパック」は発売歴41年目
3月下旬以降順次、協同乳業「ホームランバー バニラ&チョコ」がリニューアル!
「ホームランバー」は、空気含有量も高めなアイスバーで後味がスッキリとしていて、体を動かした後やお風呂上りのシチュエーションにぴったりな商品です。今回のリニューアルでバターを加えたことにより、より乳のコクがアップし、満足感も得られる仕立てとなっていました。
この一本にこだわりが詰まっています。空気含有量が高いため鼻に抜けるバニラやチョコが香りまで美味しいです。(個人の感想)
※「ホームランバー」は協同乳業の登録商標です
いかがでしたか? ロングセラーブランドになるためには味を守るとともに、時代の変化を捉えながらも味や食感など微調整を行なっていたことが、今回の企画を通じてよくわかりました。みなさんは最近アイス食べていますか? リニューアル商品を全て食べましたが、やっぱりおいしかったです。ぜひ、みなさんも食べてみてはいかがでしょうか!