最も醜い航空機「プレグナント・グッピー」NASAの宇宙開発を支えた巨大航空機の歴史に迫る
皆さんがニュースでロケットの打ち上げを見る時、ふと「こんなに大きい物をどうやって輸送しているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
本記事ではその答えとなる、巨大航空機「プレグナント・グッピー」を解説していきます。
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■ロケットを陸路で運ぶと時間がかかりすぎる!?
1962年にデビューした「プレグナント・グッピー」の最大の特徴は、その胴体が大きく膨らんでいる点です。まるで金属の風船のような形をしていますが、一体どのような目的で開発されたのでしょうか。
1960年代のアメリカの宇宙開発での課題は、西海岸で製作したロケットをいかに早く東海岸の打ち上げ場へ運ぶかということでした。必ずパナマ運河かメキシコ湾を通過する必要があったため、輸送に2週間以上の長い期間を要していたのです。
そのため、空輸が行えれば理想的なのですが、ロケットのような巨大な構造物を搭載できる航空機はその時代に存在していませんでした。
■最も醜い航空機と評された飛行機「プレグナント・グッピー」
そして、一つの案が浮上します。それでは、旧式の輸送機を改造し、大型の貨物室を設けることで、ロケット部品を搭載できるようにしてしまおうというアイデアです。そうして誕生したのが、グッピーシリーズの初代機となる「プレグナント(妊娠した)グッピー」です。
プレグナント・グッピーの登場により、ロケットなどの部品は1日以下という短期間で輸送することが可能となりました。その機体を見たNASA職員は、「まるで妊娠したグッピーのようだ」と言ったことから、この名前が定着しました。
その後、グッピーシリーズの開発を担当する「エアロ・スペースライン」という輸送会社が設立されます。グッピーの強みである大型貨物の輸送性は、アポロ計画で使用された当時最大の「サターンロケット」の輸送でも活躍しました。
その後、後継機となる「スーパーグッピー」の開発が開始されます。その詳細については次回の記事で解説していきます、お楽しみに!
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