2029年に小惑星アポフィスが地球へ最接近、探査機をH3ロケットで打ち上げる計画が浮上?
2029年、小惑星「アポフィス」が地球に接近することをご存知ですか。実は地球へ衝突する可能性もあり、世間を賑わせているのです。ヨーロッパはアポフィスへの探査計画「RAMSES」を発表しましたが、本記事ではH3ロケットでの打ち上げの可能性も含めて詳しく解説します。
■2029年のアポフィス大接近で何が起こる?
アポフィスは直径340mの小惑星で、東京タワーに相当する高さです。そして、気になる地球との衝突確率ですが、今のところ100万分の1以下と言われており、地球から約3万kmの距離を通過すると考えれられています。これは、月までの距離の10分の1であり、地球と月の間を通るほどの近さです。最接近時には肉眼で確認することもでき、天体望遠鏡で表面の様子が観測できると言われています。
国際宇宙ステーションの高度は400kmのため衝突する心配はありませんが、静止軌道にいる衛星は衝突の危険性があります。もしアポフィスが地球に衝突したとすると、広島の原爆の約3万倍のエネルギーである、500メガトンの爆弾と同等の威力との事です。ちなみに名前のアポフィスは、古代エジプト神話の「混乱と暗闇の神」に由来しています。
■ヨーロッパで探査ミッション「RAMSES」が始動
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は2029年に地球へ接近するアポフィスへの探査計画「RAMSES(ラムセス)」を発表しました。アポフィスの軌道の制約から、RAMSESは2028年4月に打ち上げる必要があり、アポフィスへの到着は2029年2月になる見通しです。到着後は、アポフィスの組成や構造などを分析し、小惑星の成り立ちの謎に迫ります。
■H3ロケットが小惑星アポフィス探査で活躍?
2024年11月20日、JAXAとESAは、将来の大型国際プロジェクトに関する会合を開催しました。その中で、「2029年4月13日に地球に最接近する小惑星アポフィスを探査することを目的としたRAMSESのための協力可能性の検討を加速することに合意した。これには、熱赤外カメラと太陽電池パドルの提供及び可能な打上げ機会等が含まれる。」と言及されています。
そして、世界のロケット打ち上げ計画をまとめているHP「Space Launch now」には、2028年4月にH3ロケットでRAMSESを打ち上げる可能性があることが、イタリア・ミラノで開催された国際宇宙会議「IAC2024」で言及されたと記載されています。
まだJAXAから確定的な発表はありませんが、日本のH3ロケットが将来の小惑星探査で活躍する日が楽しみですね。
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