ディバラは「カネより愛」を選択? ローマ残留は「ロマンティックな物語」なのか #専門家のまとめ
アルゼンチン代表のパウロ・ディバラが、ローマ残留を決めた。
チームや職員と別れのあいさつもしたと言われるなか、アル・カーディシーヤとローマが合意するか注目されていた矢先、選手は一晩で翻意。3年7500万ユーロ(約120億円超)と言われる巨額オファーを断り、永遠の都にとどまることを選んだ。
サウジアラビアからの好待遇を蹴った決断は反響を呼んだ。なぜ、一度は中東に向かいかけたディバラは、ローマに残ったのだろうか。
ココがポイント
▼理由のひとつは「周囲の愛情」。仲間や関係者の対応、さらにファンの呼びかけが、ディバラの心を揺さぶったと伝えられている。
・ディバラがローマ残留を決断「ありがとうローマ。日曜日に会おう」 3年間で約121億円の給与を拒否(SPOTV news)
▼家族の考えも重要だ。妻と母親が残留を後押ししたとの報道もある。一部では「ローマ愛ではなく妻の意向が決断理由」との見方も。
・土壇場翻意でローマ残留のディバラ、2人の女性が大きな役割果たす…(超WORLDサッカー!)
▼本人は様々なことを踏まえて決心したという。巨額報酬に魅力を覚えたことは認めており、迷った末の決断という心境がうかがえる。
・7500万ユーロの高額オファーでサウジ行き秒読みだったディバラが、突如契約を取りやめた理由を明かす(theWORLD(ザ・ワールドWeb))
▼確かなのは、著名人を含め、称賛したファンが少なくないこと。トッティの背番号10を託していいという声が、決断の大きさを表す。
・「トッティの10番を」「歴史に残る」サウジ移籍濃厚→翻意して残留! 127億円の契約を断ったディバラにローマ熱狂!元イタリア首相も「脱帽だ」(SOCCER DIGEST Web)
エキスパートの補足・見解
ジャンカルロ・パドヴァン記者は「まったくロマンティックなことではない」と述べた。300万ユーロ(約5億円)+ボーナスという移籍金提示をローマが受け入れず、妻の意向もあったとし、ディバラ本人は退団を決意していたと主張している。
一方で、マルコ・ピッカーリ記者は「絶対の真実を我々が知ることはない」と強調。「もはや情熱の居場所がなく、経済的論理のみの現サッカー界で、再び情熱の火を燃やす何かがあるなら、それを大事にしよう」と、ロマンティックな見方をしたいと話した。
いずれにしても、先発外構想も報じられていたディバラだけに、ダニエレ・デ・ロッシ監督の手腕も見もの。残留決定後の初戦はエンポリに敗れた。9月1日の次節、ディバラの古巣ユヴェントスとの対戦が注目される。