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ディバラは「カネより愛」を選択? ローマ残留は「ロマンティックな物語」なのか #専門家のまとめ

中村大晃カルチョ・ライター
8月25日、セリエA第2節エンポリ戦でのディバラ(写真:ロイター/アフロ)

アルゼンチン代表のパウロ・ディバラが、ローマ残留を決めた。

チームや職員と別れのあいさつもしたと言われるなか、アル・カーディシーヤとローマが合意するか注目されていた矢先、選手は一晩で翻意。3年7500万ユーロ(約120億円超)と言われる巨額オファーを断り、永遠の都にとどまることを選んだ。

サウジアラビアからの好待遇を蹴った決断は反響を呼んだ。なぜ、一度は中東に向かいかけたディバラは、ローマに残ったのだろうか。

ココがポイント

▼理由のひとつは「周囲の愛情」。仲間や関係者の対応、さらにファンの呼びかけが、ディバラの心を揺さぶったと伝えられている。

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▼家族の考えも重要だ。妻と母親が残留を後押ししたとの報道もある。一部では「ローマ愛ではなく妻の意向が決断理由」との見方も。

土壇場翻意でローマ残留のディバラ、2人の女性が大きな役割果たす…(超WORLDサッカー!)

▼本人は様々なことを踏まえて決心したという。巨額報酬に魅力を覚えたことは認めており、迷った末の決断という心境がうかがえる。

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▼確かなのは、著名人を含め、称賛したファンが少なくないこと。トッティの背番号10を託していいという声が、決断の大きさを表す。

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エキスパートの補足・見解

ジャンカルロ・パドヴァン記者は「まったくロマンティックなことではない」と述べた。300万ユーロ(約5億円)+ボーナスという移籍金提示をローマが受け入れず、妻の意向もあったとし、ディバラ本人は退団を決意していたと主張している。

一方で、マルコ・ピッカーリ記者は「絶対の真実を我々が知ることはない」と強調。「もはや情熱の居場所がなく、経済的論理のみの現サッカー界で、再び情熱の火を燃やす何かがあるなら、それを大事にしよう」と、ロマンティックな見方をしたいと話した。

いずれにしても、先発外構想も報じられていたディバラだけに、ダニエレ・デ・ロッシ監督の手腕も見もの。残留決定後の初戦はエンポリに敗れた。9月1日の次節、ディバラの古巣ユヴェントスとの対戦が注目される。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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