史上初の"中東"かつ"冬"開催のワールドカップ 初日の天気は?
異例の暑さ
ワールドカップの開幕が目前に迫っています。
開催地のカタールでは、このところ異例の暑さが続いていて、今月上旬には首都ドーハで37.2度を記録し、11月の国内高温記録に匹敵するような暑さとなりました。
ドーハの気候
冬でも暑い暑い、と伝えられるカタールですが、その気候とはどのようなものなのでしょう。試合会場のある首都のドーハの気候を見てみます。
一年でもっとも暑い7月の最高気温の平均は、42度です。カタールの最高気温記録は、2010年7月に観測された50.4度。夏の平均降水量は0ミリですが、世界でもっとも温かい海の一つペルシャ湾に面するため、湿度が高く、耐え難い蒸し暑さが襲います。
一方、11月の最高気温の平均は29度、最低気温は21度と下がります。東京でいえば、初秋くらいの陽気ですから、暑さはだいぶ収まります。ただ11月は雨季の始まりでもあり、湿度も高くなります。
初日の天気は?
では、ワールドカップ初日の20日(日)の天気はどうでしょうか。
アラビアウェザーの予想によれば、少しだけホッとするような数字が出ています。
ドーハの予想最高気温は29度、天気は晴天です。冒頭で季節外れの高温が続いていると書きましたが、開幕日には北よりの風が吹き、やや気温が下がって、この時期らしい陽気となる見込みです。なお、22日(火)には雨が予想されています。
また大多数の試合会場は冷房を完備しており、空調温度は22度に保たれるそうです。ピッチ脇や観客席の足元に設けられた送風孔から涼やかな風が吹き出し、暑さを和らげます。
暑さの代償
冬に開催し、スタジアムを冷房で冷やすなど、選手や観客への暑さ対策が取り組まれています。ところが、会場建設に携わった外国人労働者の中には、過酷な暑さのために命を落としたり、健康を害して本国に帰国したりした人たちが少なくないといいます。
史上初めてワールドカップの中東開催という、不可能を可能にしたような大会ですが、こうした大きな犠牲が払われたことを忘れてはいけないと思います。
温暖化で"生存不可能"に
このまま温暖化が進めば、2100年までにペルシャ湾岸の一部が"生存不可能"となるだろうと予想されています。日中の最高気温は60度を超え、体感気温は75度に達するかもしれないともいわれているのです。
世界でも気温が上がると予想される中、選手、観客、さらに舞台裏で大会を支えている人たちへの暑さに対する配慮が、今後ますます求められていくことは言うまでもありません。