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12式地対艦誘導弾能力向上型の発射試験を初公開

JSF軍事/生き物ライター
防衛省・防衛装備庁公式Xアカウントの投稿写真より12式地対艦誘導弾能力向上型

 12月6日、日本防衛省は開発中の新兵器「12式地対艦誘導弾能力向上型(地発型・艦発型)」の発射試験を行ったことを発表しました。推定される最大射程は1000km以上(おそらく更にもっと長い距離を飛べる)の長距離対艦ミサイルです。限定的な対地攻撃能力も持ちます。

スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について:防衛省

※発射試験日:12式地対艦誘導弾能力向上型

  1. 第1回発射(地発型) 令和6年10月04日(金)
  2. 第2回発射(地発型) 令和6年10月14日(月)
  3. 第3回発射(地発型) 令和6年10月17日(木)
  4. 第4回発射(艦発型) 令和6年10月28日(月)
  5. 第5回発射(艦発型) 令和6年11月01日(金)

※試験場所:航空装備研究所新島支所

地発型:「地上発射型」の略。初期加速用のブースター付き

艦発型:「艦艇発射型」の略。初期加速用のブースター付き

空発型:「航空機発射型」の略。ブースター無し

4連装発射機(発射試験時は2本搭載形態)

防衛省・防衛装備庁公式Xアカウントの投稿写真より12式地対艦誘導弾能力向上型
防衛省・防衛装備庁公式Xアカウントの投稿写真より12式地対艦誘導弾能力向上型

※キャニスター(発射筒)は角が丸い四角形の断面

防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型
防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型


 4連装発射機で、試験時にはキャニスター(発射筒)を2本だけ搭載している形態です。通常型の「12式地対艦誘導弾」は6連装発射機ですが、原形を留めないほど改良された「12式地対艦誘導弾能力向上型」はミサイルが大型化されており、搭載数が減っています。

防衛省の公式資料より新旧の地対艦誘導弾の形状を比較(どちらもブースター付き)
防衛省の公式資料より新旧の地対艦誘導弾の形状を比較(どちらもブースター付き)

発射写真拡大(細長い赤い塗装は折り畳み主翼)

防衛省・防衛装備庁公式Xアカウントの投稿写真より12式地対艦誘導弾能力向上型
防衛省・防衛装備庁公式Xアカウントの投稿写真より12式地対艦誘導弾能力向上型

※後部の4枚の操舵翼は片面のみ赤く塗装

防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型
防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型

※ブースター初期加速

防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型
防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型

※ブースター切り離し主翼展開、ジェットエンジン始動

防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型
防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より12式地対艦誘導弾能力向上型

 12式地対艦誘導弾能力向上型の地発型・艦発型は初期加速用のブースター(固体燃料ロケット)を切り離した後に主翼を展開してジェットエンジンを始動して巡航飛行に移行します。

参考比較:12式地対艦誘導弾能力向上型(空発型)

令和6年(2024年)版「防衛白書」より「12式地対艦誘導弾能力向上型」の試作品
令和6年(2024年)版「防衛白書」より「12式地対艦誘導弾能力向上型」の試作品

12式地対艦誘導弾能力向上型の配備予定年度

防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より配備予定年度
防衛省「スタンド・オフ防衛能力に関する事業の進捗状況について」より配備予定年度

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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