年俸調停を回避しても、トレードの可能性はあり。3年連続首位打者は年俸1400万ドルで合意へ
ルイス・アライズ(サンディエゴ・パドレス)の年俸が決まったようだ。ファンサイデッドのロバート・マリーやUSAトゥディのボブ・ナイテンゲールらが、アライズとパドレスは年俸調停を回避し、1400万ドルで合意、と報じている。
年俸調停の仕組みについては、2021年にこちらで書いた。
◆「大谷翔平の「年俸調停」についてゼロから知りたい人のために」
ただ、年俸が確定しても、開幕までにトレードで移籍する可能性は、ゼロではない。
アライズのチームメイトであるディラン・シースは、昨年1月に年俸調停を回避し、年俸800万ドルに決まった時点では、シカゴ・ホワイトソックスに在籍していた。そこから2ヵ月後のトレードにより、ホワイトソックスからパドレスへ移籍した。
アライズの場合、マイアミ・マーリンズからパドレスへ移ったのは昨年5月なので、こちらは開幕後だ。ちなみに、昨オフは、調停申請に敗れている。互いが主張した。アライズの1200万ドルとマーリンズの1060万ドルのうち、マーリンズの金額に決まった。
今オフ、シースとパドレスも年俸調停には進まず、サンディエゴ・トリビューンのケビン・エイシーによると、1375万ドルの年俸で合意したという。
現在、アライズとシースには、トレードの噂が――具体的な動きがあるのかどうかは不明ながら――出ている。例えば、SNY(スポーツネット・ニューヨーク)のアンディ・マルティノは、ニューヨーク・ヤンキースがアライズを獲得することはないが、ニューヨーク・メッツがそうする可能性はわずかにあり、と報じている。
このままいくと、アライズは、来オフにFAとなる。シースもそうだ。パドレスからすると、積極的にトレードを持ちかけることはしないが、打診があれば耳を傾け、交換条件によっては……といったところではないだろうか。昨オフ、パドレスは、FAまで1シーズンのホアン・ソト(現メッツ)をヤンキースに放出した。
アライズは、3シーズン続けて首位打者を獲得している。シースは、4シーズン続けて165イニング以上を投げ、奪三振率はいずれも10.60以上。防御率は3.91→2.20→4.58→3.47と上下しているものの、FIPは4シーズンとも3.75未満だ。2022年と2024年は、FIP3.10を記録した。
FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。