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2024年12月26日、中国で開発中の2種類の新型有人ステルス戦闘機の飛行を確認

JSF軍事/生き物ライター
SNS投稿動画より中国の新型戦闘機の成都案(左)と瀋陽案(右)

 2024年12月26日に中国の成都飛機工業で開発中の新型有人ステルス戦闘機が飛行している姿が地元住民によって撮影されました。また中国の瀋陽飛機工業で開発中の新型有人ステルス戦闘機が飛行している姿も別個で撮影されており、二つとも12月26日に動画がインターネット上に出回り始めました。

 ただし中国当局から説明は無く、飛行する姿のみを見せています。

成都:エンジン3基、デルタ翼、無尾翼、ステルス、有人機

瀋陽:エンジン2基、ラムダ翼、無尾翼、ステルス、有人機

 成都案はエンジン3基の無尾翼の巨大機で、爆撃機に近い機体です。

成都案:名称不明、機体番号から仮称J-36(殲-36)

  • エンジン3基(ダイバータ無し背面吸気孔とダイバータ有り機首側面吸気孔)
  • 主翼:デルタ翼(エレボン3対とドラッグ・ラダー2対)
  • 無尾翼(水平尾翼も垂直尾翼も無い)
  • ステルス形状
  • 有人機(複座機との推定)
  • 機体番号3601(ないし36011)
  • 機種名:J-36(推定)

瀋陽案:名称不明

  • エンジン2基
  • 主翼:ラムダ翼
  • 無尾翼 ※可変尾翼説も
  • ステルス
  • 有人機
  • 機体番号(不明)
  • 機種名:J-50(推定)

※デルタ翼:ギリシャ文字のデルタ(Δ)に似た形の主翼

※ラムダ翼:ギリシャ文字のラムダ(Λ)に似た形の主翼

※可変尾翼:完全ステルス時では水平に倒し、機動飛行時はV字に傾ける

 成都も瀋陽も中国軍も誰も何も詳しい説明を公表していません。このためこの2機種が第6世代戦闘機を目指したものなのか、あるいは第5世代戦闘機の延長のものなのか、それとも戦闘機ではなく新型のステルス爆撃機なのか、何もかも不明なままです。

 ただし確実に言えることは、これらは有人機だということです。パイロットが乗った操縦席があります。つまり中国軍は無人戦闘機の時代が来るのはまだ当分先の話であり、今後数十年は有人戦闘機の時代が続くと見ています。

新型有人ステルス戦闘機を開発している世界各国

  • 中:名称不明新型戦闘機2種類(成都、瀋陽) ※2024年12月26日飛行確認
  • 土:KAAN ※2024年2月21日初飛行 ※トルコ(土耳古)
  • 韓:KF-21ポラメ ※2022年7月19日初飛行
  • 日英伊:GCAP
  • 独仏西:FCAS/SCAF
  • 米:NGAD 
  • 露:Su-75チェックメイト

現在有人ステルス戦闘機を量産している世界各国(生産数)

  • 米:F-22(約200機)、F-35(約1000機)
  • 露:Su-57(約15~20機) ※推定数
  • 中:J-20(約200~300機) ※推定数

関連:F-35をドローンで代替するというイーロン・マスクの実現不可能な提言、無人戦闘機は時期尚早

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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