小学生の交通事故は6月に多い!魔の6月は子どもの飛出しに要注意~過失割合100%で裁かれる~
今年の梅雨は遅れてやってきそうですが、毎年6月は小学生の交通事故が多い月です。そのため「魔の6月」との呼ばれていて、ドライバーは道路への子どもの飛出しに注意しないといけません。
6月に交通事故が増える理由は梅雨による長雨で、視界が悪くなるからといわれていますが、実はそれだけではないのです。
小学校1年生が外出に慣れてくる時期
これは政府広報オンラインが公開している警察庁のデータで、2018年(平成30年)~2022年(令和4年)の5年間で起きた「小学生の歩行中の交通事故件数」です。
死者・重症者数は小学校2年生に次いで、小学校1年生が多くなっています。
幼稚園では保護者が送り迎えをしているはずですが、小学校1年になると児童のみで登下校するようになります。地域によって異なりますが、集団ではなく友達同士での登下校が多くなります。
また、6月に入ると外出に慣れてくるため行動範囲も広がります。しかし、小学1年生が交通ルールを把握することはなく、遊びに夢中になり道路に飛び出すことは珍しくありません。
2023年(令和5年)の統計でも6月の交通事故が多い
これは警視庁が公開している2023年(令和5年)中の、子どもの交通人身事故発生状況を月別に表示したグラフです。
死者数は幸いにもゼロですが、事故件数は6月が183件と最も多くなっているのが分かります。
曜日別では水曜日に多く事故が発生している
曜日別でみると水曜日が多く、週の半ばは特に注意が必要です。
さらに、時間帯を見ると16時~18時の時間帯での事故発生件数がとても多いです。この時間帯は、子ども達の帰宅時間と周囲が暗くなる時間が併せてやってくるため、事故率が多くなっていると思われます。
信号機のない横断歩道での飛出し事故の過失割合は原則車が100%
万が一、信号機のない横断歩道で子どもとの接触事故を起こしたら「子どもが飛び出してきたから・・」は通用しません。
ドライブレコーダに状況が残されていても、ドライバーが加害者となり原則として過失割合は100%となります。この場合、子どもが徒歩でなく自転車に乗って飛出しても同様の過失割合になります。
その理由は、横断歩道の手前では停止線があればその手前で、停止線のない横断歩道でも、直前で停止できる速度で進行することが「道路交通法第38条 第1項」で定められています。
子ども達の安全は、大人のドライバーが守らないといけない!
梅雨が訪れる6月は「魔の6月」と呼ばれるほど、小学生の交通事故が多い月です。
そもそも小学校低学年で、ドライバーのように交通ルールを知っている児童はいません。そのため、ドライバーのほうで子どもが飛び出してくる予測をして、安全運転をする必要があるでしょう。
「そんなの関係ないね!悪いのは飛び出した子どもだから」と叫んでも、法律ではドライバーが加害者となるケースがほぼ100%です。
子どもとドライバー、その家族の安全を守るためにも、特に6月は気を引き締めてハンドルを握りたいですね。