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グランド ハイアット 東京で“中国トップ10シェフ”の料理が味わえる! 写真付きでメニューを紹介

東龍グルメジャーナリスト
グランド ハイアット 東京 (C) 東龍

グランド ハイアット 東京がパーク ハイアット 上海とコラボレーション

六本木ヒルズに2003年オープンしたグランド ハイアット 東京は、利便性の高いロケーションとゴージャスな空間、充実したレストラン・バーで、いまだに根強い人気を誇ります。

10のレストラン&バーを有しており、フランス料理やイタリア料理、中国料理や日本料理、鮨、鉄板焼など、どのレストランも非常に魅力的です。この中で今最も注目したいのが、中国料理「チャイナルーム」。小池克昌氏が2015年から料理長を務めており、四大中国料理や飲茶で人気を博しています。

同じくハイアットグループのパーク ハイアット 上海「ダイニング ルーム」とコラボレーションして、通常とはまた違う特別メニューが体験できるので、脚光を浴びているのです。

実力派の総料理長

「ダイニングルーム」は中国における屈指のグルメガイドである「ブラックパール レストランガイド」で2023年と2024年に1ダイヤモンド(1つ星)を獲得。「ミシュランガイド 上海」において2022年から2024年まで3年連続でセレクテッドレストランに選ばれたりするなど、グルメ都市である上海の中でも高い評価を獲得しています。

総料理長を務めるのはヤン ヨン氏。ヤン氏はコンテンポラリーな中国料理の旗手であり、2018年に中国国内の中国料理協会による“トップ10のシェフ”に選ばれたほどの料理人です。

2024年3月13日から17日までは、ヤン氏と点心師など3人が来日して「チャイナルーム」のキッチンで調理しました。その後は「チャイナルーム」のスタッフがヤン氏のレシピを忠実に再現し、3月31日まではランチコースが、6月30日まではディナーコースとアラカルトが提供されています。

ディナーコース

ヤン氏の料理を存分に体験したいのであれば、7品のフルコース構成となっているディナーコース(17,600円)で決まりです。

ディナーコース
・前菜
ツブ貝のスパイシーソース煮
フォアグラの赤ワイン風味春巻皮巻き キャビアのせ
金華豚トロ肉のクリスピー揚げ 甘酢ソース和え
ヤンシェフオリジナル 葱醤油がけ蒸し鶏
パッションフルーツのマリネ 蜂蜜風味
マナガツオの燻製 キンモクセイの香り仕立て
・点心
ヤンシェフ特製 スープ入り上海式小籠包
江蘇省風 高菜 竹の子入りパイ
・スープ
杭州式タラバ蟹入り魚スープ
・魚料理
ロブスターの春雨炒め
・肉料理
牛ヒレ肉のブラックペッパーソース 海苔パウダー添え
・麺
松茸と白菜の汁そば
・デザート
胡麻の白玉団子入り紅麹の汁粉
ヤンシェフ特製 白胡麻 黒胡麻の胡麻プリン

豪華な前菜の盛り合わせに始まって、自慢の点心、滋味に溢れるスープと魚料理、牛フィレ肉を用いたメインディッシュ。松茸入りの贅沢な汁そばで食事を〆て、最後は特製のデザートという流れになっています。

では、それぞれ詳しく紹介していきましょう。

前菜

前菜 (C) 東龍
前菜 (C) 東龍

コンテンポラリーチャイニーズを標榜するヤン氏の前菜は、プレートに小皿がのせられているスタイリッシュなプレゼンテーション。

「ツブ貝のスパイシーソース煮」は、心地よい弾力で、食欲をかき立てるスパイシーさです。洋中折衷なのが「フォアグラの赤ワイン風味春巻皮巻き キャビアのせ」。春巻き皮にフォアグラが巻かれていて、濃厚な味わいです。「金華豚トロ肉のクリスピー揚げ 甘酢ソース和え」は甘酢ソースがアクセント。

「ヤンシェフオリジナル 葱醤油がけ蒸し鶏」は、やわらかい蒸し鶏に、葱醤油の青味が爽やかです。パッションフルーツの酸味と蜂蜜がハーモニーを奏でるのが「パッションフルーツのマリネ 蜂蜜風味」。「マナガツオの燻製 キンモクセイの香り仕立て」はマナガツオの優れた食味に、軽やかなキンモクセイを合わせた意欲作です。

点心

点心 (C) 東龍
点心 (C) 東龍

「ヤンシェフ特製 スープ入り上海式小籠包」はドラゴンフルーツの赤、ほうれん草の緑、プレーンの白と、カラフルな小籠包。スープは香ばしく、旨味たっぷりです。「江蘇省風 高菜 竹の子入りパイ」はサクサクっとしたパイ。高菜と竹の子の苦味が心地いいです。

杭州式タラバ蟹入り魚スープ

杭州式タラバ蟹入り魚スープ (C) 東龍
杭州式タラバ蟹入り魚スープ (C) 東龍

滋味に溢れたスープに、たっぷりのタラバ蟹のほぐし身がマッチしています。モヤシのシャキシャキとした食感も小気味いいです。添えられたパクチー、赤酢は好みで加えます。

ロブスターの春雨炒め

ロブスターの春雨炒め (C) 東龍
ロブスターの春雨炒め (C) 東龍

ロブスターの半身を豪快に揚げました。油と相まってロブスターは身が締まり、上味が閉じ込められています。トップにはXO醤風味の香ばしい春雨。

牛ヒレ肉のブラックペッパーソース 海苔パウダー添え

牛ヒレ肉のブラックペッパーソース 海苔パウダー添え (C) 東龍
牛ヒレ肉のブラックペッパーソース 海苔パウダー添え (C) 東龍

ヤン氏のスペシャリテのひとつ。牛フィレ肉は周りをカリカリっと仕上げて、中はジューシーです。ブラックペッパーが香ばしく、上には厚めにスライスしたガーリック、周りには鮮やかな海苔のパウダー。

松茸と白菜の汁そば

松茸と白菜の汁そば (C) 東龍
松茸と白菜の汁そば (C) 東龍

プレーンの麺と翡翠麺を合わせて、彩りも美しいです。スープに滋味がしっかり閉じ込められ、松茸の幽香と白菜の甘味が、食味に奥行きを与えます。

デザート

デザート (C) 東龍
デザート (C) 東龍

「胡麻の白玉団子入り紅麹の汁粉」は胡麻の白玉団子が実に香ばしく、「ヤンシェフ特製 白胡麻 黒胡麻の胡麻プリン」は口当たりがよくてなめらか。最後のデザートもしっかりと心に残る味わいです。

ワインがぴったり

左が「ルイ ロデレール コレクション 244」、右が「ヒルシュフェルヌーゲン 2022」 (C) 東龍
左が「ルイ ロデレール コレクション 244」、右が「ヒルシュフェルヌーゲン 2022」 (C) 東龍

グランド ハイアット 東京はワインが充実しているホテルとしても知られています。

「ルイ ロデレール コレクション 244」(グラス 3,300円)は、しっかりとした骨格をもち、スモーキーな香りと甘美さが特徴のシャンパーニュ。油を用いた料理をさらりと流し、魚や肉にも合います。

「ヒルシュフェルヌーゲン 2022」(グラス 2,200円)はオーストリアの白ワイン。オーストリア固有のブドウ種グリュナー・ヴェルトリーナーが用いられており、さっぱりした味わいなので、中国料理にはぴったりです。

コラボレーションの背景

左がパーク ハイアット 上海のヤンヨン氏、右がグランド ハイアット 東京の小池克昌氏 (C) 東龍
左がパーク ハイアット 上海のヤンヨン氏、右がグランド ハイアット 東京の小池克昌氏 (C) 東龍

どのようにして夢のコラボレーションが実現したのでしょうか。

「チャイナルーム」料理長の小池氏は、以前からヤン氏の活躍ぶりに注目しており、一緒にイベントをしたいとコロナ前からラブコールを送っていました。コロナもようやく落ち着いたところで話が再開し、2023年の晩夏にはコラボレーションが決まったということです。

4年もの歳月を経て実現化できたということで、両者のモチベーションはとても高く、年末年始にはある程度メニューが決まっていました。そこから微調整と試食を繰り返し、正式にメニューが決定したといいます。

大きな影響や反響

「チャイナルーム」入口 (C) 東龍
「チャイナルーム」入口 (C) 東龍

ヤン氏を含む3人は、コラボレーションが開始される3日前の3月10日には来日。短時間でも小池氏のチームとしっかりコミュニケーションをとり、準備も万全にして臨みました。ヤン氏のような有名シェフが同じ厨房で腕をふるったということで、小池氏のチームは感化されたり、スキルアップが図れたりと、大きな影響があったということです。

また、当イベントがアナウンスされると、早くからたくさんの予約が入り、中にはヤン氏のサインが欲しいというゲストもいるなど、大きな反響もあります。

開催期間は全部で3ヶ月半と、ホテルのプロモーションにしては長い方です。是非とも時間をつくって、中国“トップ10のシェフ”の料理を味わってみてください。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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