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オーバーツーリズム問題にどう対処していくべきか #専門家のまとめ

河嶌太郎ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)
”インスタ映え”スポットを解消しようと暗幕が貼られる山梨県富士河口湖町のローソン(写真:ロイター/アフロ)

 コロナ禍が終わり、海外からの訪日観光客数も過去最高に達しています。そこで全国各地で問題となっているのが、観光地にキャパシティ以上の人が訪れてしまうことで、地域住民の住環境などに悪影響を及ぼしてしまう「オーバーツーリズム(観光公害)」です。今各地でどのような問題が起きているのか、そしてどういった対策が考えられるのかについてまとめました。

ココがポイント

▼SNSの一部流行による観光公害。暗幕設置で対策

・富士山隠す黒幕設置 富士河口湖の町長「苦渋の決断」(NHK)

▼観光地付近の私道流入阻止。違反者に罰金1万円

・祇園の私道に「進入禁止」の看板 罰金1万円の表記も 観光客急増で(朝日新聞デジタル)

▼アニメ・漫画の舞台により住宅地が観光地化。対策に警備員配置

「スラムダンクの聖地」の迷惑行為は解消するか…警備員を平日にも常駐へ 鎌倉市、江ノ電の踏切(東京新聞)

エキスパートの補足・見解

 全国各地のオーバーツーリズムの原因を見ていると、観光地でインスタグラムをはじめとするSNSにアップするための写真を撮影したいという旅行者の欲求が垣間見えます。撮影することで滞留が生まれ、さらなる混雑の原因にもなっています。

 これが一つの解決の糸口になるのではと考えています。SNS上ではある種の相互監視の性質があります。つまり、ここまで迷惑行為として報じられているのに、なおもそういう写真をアップロードすることに対し、批判のコメントが当人に寄せられる可能性があります。もちろん、ごく一部にはそれでも無視するマナーの悪い人はいるかと思いますが、多数の旅行者には有効だと考えています。旅行者が多い国の海外メディアでも取り上げて欲しいところでもあります。マスメディアに限らず、いかに自粛の風潮を醸成していくかがカギになると考えています。

ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)

1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。「聖地巡礼」と呼ばれる、アニメなどメディアコンテンツを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「withnews」「AERA dot.」「週刊朝日」「ITmedia」「特選街Web」「乗りものニュース」「アニメ!アニメ!」などウェブ・雑誌で執筆。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。

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