北欧で30度の猛暑 トナカイはビーチで涼む、「日焼け止めを」各国の報道
北欧各国で30度前後の真夏日が続いている。
欧州のなかでも北部・北極圏に位置する北欧。フランスほどの猛暑とはなっていないが、30度という、長い冬に慣れた現地の人々にとっては猛暑日となる日が続いている。
猛暑といっても、今年は昨年よりは涼しめだ。昨年は、暑い日があまりにも長く続いたため、各国では農家が悲鳴をあげ、スウェーデンでは山火事も大きな問題となった。
今年は各国でどのようなニュース傾向があるのだろう。
牛も夏バテ
スウェーデンでは、暑さで牛がストレスを感じており、牛乳の生産量が低下(国営局SVT)
北欧各国では、赤ちゃんを大きなベビーカーで外で寝かせたままにすることが多い。親が思っている以上に、内部の温度は暑くなっているため、注意するように呼びかけられている(スウェーデン国営局SVT)
「え、日焼け止め?」
「美白」をよしとする日本とは違い、北欧では「小麦色に日焼けした肌」に憧れる人が多い。夏休みを満喫した証拠でもあるからだ。
その分、日本人ほど、北欧の人は日焼け止めを塗る回数が多くはない印象を私は受けている。
デンマーク国営局DRのように、「日焼け止めを忘れずに」と各国のメディアは伝える。
「日焼け止めなんて、使いたくない」というデンマーク男性の声(国営局DR)
変な日焼け跡の写真を投稿する人々(ノルウェーVG紙)
「30度で、私たちはこれほどの大量の水を体から失っている」という動画(ノルウェー国営局)。
トナカイがビーチで涼む
フィンランドでは、28度で夏バテしたトナカイが、ビーチで涼むという珍事が起きた(国営局YLE)
各国の海やノルウェーのフィヨルドでは、青緑色の藻類(シアノバクテリア)が開花している。ラン藻(藍藻)による水質汚染は、人には有害物質ともなりうる。一部地域では、水温が上昇し緑色で、皮膚に傷口がある場合などは、海水浴をしないように呼びかける。
ノルウェー国営局NRK、海水浴とバクテリアについて(ノルウェー国立公衆衛生研究所)、フィンランド国営局YLE
ノルウェーでは、年によっては、「今年、夏ってあったっけ?」と感じるほど、涼しく、短い夏がこれまでのスタンダードだった。「暑い」といっても20度ほどのことで、30度近い数字は異常だ。
昨年よりは涼しい
猛暑といっても、昨年ほどはひどくはない。「短い夏を楽しもう」、「最高記録となるか」と、楽観的なニュースが今年は多めだ。
27日の夜、ノルウェーのソムナでは26.1度を記録。欧州で最も暑い熱帯夜となったと、喜んでいる(ノルウェー国営局NRK)。
気候変動との関係性、北極圏への影響を懸念するニュースも見られる。
グレタさん、異常気象を心配する
スウェーデンの環境保護活動家、グレタ・トゥーンベリさん。欧州の温暖化を懸念するコメントを、SNSで頻繁に発している。
北欧各地では、来週以降は気温が下がるとみられている。
「泳ぐなら、今日!」、「夏を満喫するなら、今日」と、各国のメディアは28日(日)に伝えている。
Photo&Text: Asaki Abumi
文・写真:あさきあぶみ(鐙 麻樹)