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アメリカの企業や教育現場で「日本茶」が嗜まれていた!【1】

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(c)Kasumi Abe

アメリカでは寿司、日本酒、ラーメンとさまざまな日本の食べ物や飲み物が市民権を得て久しい。その中でも「緑茶、抹茶」の人気の高まりも近年、凄まじいものがある。

ニューヨークタイムズによると、19世紀にはすでに日本の緑茶が普及していたそうだ。ただ市民レベルでは、90年代まで日系やチャイナタウンの飲食店など一部の場所だけで飲めるドリンクだったと記憶している。(そして当時のアメリカ人は、緑茶に大量の砂糖を入れていた!)

お茶事情が凄まじく様変わりしたのは2000年代に入ってから。この20年間で、緑茶や抹茶がより日常的な飲み物として認識されるようになった。大都市では健康志向の高まりと共にそれらは健康飲料として認識され、抹茶がテーマのカフェや、抹茶やほうじ茶をメニューに含むカフェは珍しいものでなくなった。

抹茶をテーマにしたカフェに列を成す人々。ニューヨーク市内にて。(c)Kasumi Abe
抹茶をテーマにしたカフェに列を成す人々。ニューヨーク市内にて。(c)Kasumi Abe

このアメリカのお茶ブームは、日本発の伊藤園による功績が大きい。

同社のアメリカ法人、ITO EN(North America)INC.が設立された2001年は、アメリカの茶事情の1つの転換期となった。この年を境に無糖茶のペットボトルが少しずつ浸透し、近所のデリやスーパーマーケットで普通に販売されるようになった。

また、市内にいくつもある抹茶カフェは相変わらず大人気だし、街中は抹茶系スイーツ(ドーナツ、アイスクリーム、パイなど)で溢れている。

ITO ENの「お〜いお茶」など無糖茶のペットボトルは、街角のデリで普通に売られている。(c)Kasumi Abe
ITO ENの「お〜いお茶」など無糖茶のペットボトルは、街角のデリで普通に売られている。(c)Kasumi Abe

(c)Kasumi Abe
(c)Kasumi Abe

一般的なお茶ブームについてはこれまで何度もレポートしてきた。文末にある過去記事も参考にしてほしい。

シリーズ【2】と【3】で、アメリカの企業や教育現場で取り組まれている、ユニークなお茶事情を報告する。

続く

(Text and photos by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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