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まさかの「非電化」化で災害復旧!? 豪雨被害で運休中の奥羽本線「新庄―院内」間、架線設備を撤去へ

鉄道乗蔵鉄道ライター
奥羽本線の主力701系電車(写真AC)

 2024年10月18日、JR東日本東北本部は、7月25日の大雨により運転を見合わせている奥羽本線の新庄―院内間45.8kmについて2025年ゴールデンウィーク前の運転再開を予定していることを発表した。運転再開時には、電車ではなく電気式気動車GV-E400系を導入し、同区間の架線設備については順次取り外していく。また、一部区間では、電気式気動車に加え、従来型の気動車キハ110系による列車の運行も検討しているという。

 2024年3月のダイヤ改正時の時刻表では、新庄―院内間には、新庄発秋田行の普通列車が7.5往復、横手発新庄行の上り列車が1本、新庄発真室川行の区間列車が2.5往復運行されており、このうち1.5往復が気動車による運行となっていた。この区間で被災前まで使用されていた車両は、電車は701系、気動車はキハ110系であった。

 JRが運営する地方路線では、昨今、豪雨などで被災した場合、そのまま災害復旧することなく廃線となるケースが増えているが、今回のような電化設備を撤去した上での災害復旧というのは初めてのケースとなることから、衝撃を受けている方も多いようだ。

 JR東日本の発表によると「非電化」化について「サステナブルで災害を受けても早期復旧が可能となる鉄道」について理由を説明している。発表資料では「非電化」化される区間についての具体的な言及はなかったものの、これまで新庄駅から乗り換えなく秋田駅まで行けた路線が2025年の復旧時からは必ず1回は乗り換えが必要になることから、地域にとっての利便性の低下が心配される。

 SNS上では、今回の被災区間を含む「奥羽本線新庄―大曲間は、秋田新幹線こまち号の開業で寝台特急あけぼの号が廃止され、山形新幹線つばさ号の新庄開業で特急列車が廃止された。こまち号に乗るためには遠回りで高額のうえ接続もそれほど良くないことから、新幹線開業の恩恵は受けていない。今回の非電化化はふびんではないのか」という沿線住民からのコメントも見受けられた。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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