ローテーションの5人中2人がメジャーデビュー前でも不安なし!? チームは再建中ではなく地区5連覇中
アトランタ・ブレーブスの開幕ローテーションには、マックス・フリード、スペンサー・ストライダー、ジャレッド・シュースター、チャーリー・モートン、ディラン・ドッドが並ぶ。おそらく、開幕からこの順序で先発マウンドに上がるはずだ。
フリードは、過去2シーズンとも規定投球回以上を投げ、防御率3.04と2.48を記録している。ストライダーは、昨年の新人王投票2位。モートンは、今年がメジャーリーグ16年目となるベテランだ。ちなみに、ストライダーの新人王を阻んだのは、チームメイトの外野手、マイケル・ハリス2世だった。
それに対し、シュースターとドッドは、まだメジャーデビューしていない。ブレーブスは再建中ではなく、2018年からナ・リーグ東地区を制し続け、2021年はワールドシリーズ優勝を飾っている。彼らのドラフト順位は、2020年の全体25位と2021年の3巡目・全体96位だ。現在の年齢は、ともに24歳。それぞれ、8月と6月に25歳となる。
もともと、ローテーションの最後の1枠は未定だった。さらに、昨年、180.1イニングで防御率3.19とブレイクしたカイル・ライトが、右肩の故障で開幕に間に合わなくなり、2枠目が空いた。
ただ、候補は、シュースターとドッドの2人だけでなかった。イアン・アンダーソン、マイケル・ソロカ、ブライス・エルダー、コルビー・アラードは、こちらの4人も20代半ばながら、すでにメジャーリーグで投げている。
アラードは右脇腹、ソロカは左太腿裏の故障により、候補から外れたとはいえ、シュースターもドッドも、消去法――他に候補が誰もいなくなって――ローテーションに残ったわけではない。2人とも、今春は5試合に登板し、シュースターは18.2イニングで奪三振18と与四球4、防御率1.45。ドッドは18.0イニングで奪三振率20と与四球4、防御率2.00を記録している。
もちろん、蓋を開けてみないとわからないが、その経緯のせいか、ニューヨーク・ヤンキースのローテーション――それについては、「開幕前にローテーションが崩壊する。5人中3人が故障者リスト入り。代役を務める3人は…」で書いた――と違い、不安よりも期待が勝る気がする。与四球の数も、自滅する危険の少なさを窺わせる。2人とも、昨年の与四球率も悪くなかった。
なお、ライトは、うまくいけば、4月半ばまでに復帰できそうだ。この点も、不安を感じさせない一因だろう。そうなると、シュースターとドッドのどちらかは、AAAへ降格するはずだ。