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ローテーションの5人中2人がメジャーデビュー前でも不安なし!? チームは再建中ではなく地区5連覇中

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャレッド・シュースター(アトランタ・ブレーブス)Mar 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブスの開幕ローテーションには、マックス・フリードスペンサー・ストライダージャレッド・シュースターチャーリー・モートンディラン・ドッドが並ぶ。おそらく、開幕からこの順序で先発マウンドに上がるはずだ。

 フリードは、過去2シーズンとも規定投球回以上を投げ、防御率3.04と2.48を記録している。ストライダーは、昨年の新人王投票2位。モートンは、今年がメジャーリーグ16年目となるベテランだ。ちなみに、ストライダーの新人王を阻んだのは、チームメイトの外野手、マイケル・ハリス2世だった。

 それに対し、シュースターとドッドは、まだメジャーデビューしていない。ブレーブスは再建中ではなく、2018年からナ・リーグ東地区を制し続け、2021年はワールドシリーズ優勝を飾っている。彼らのドラフト順位は、2020年の全体25位と2021年の3巡目・全体96位だ。現在の年齢は、ともに24歳。それぞれ、8月と6月に25歳となる。

 もともと、ローテーションの最後の1枠は未定だった。さらに、昨年、180.1イニングで防御率3.19とブレイクしたカイル・ライトが、右肩の故障で開幕に間に合わなくなり、2枠目が空いた。

 ただ、候補は、シュースターとドッドの2人だけでなかった。イアン・アンダーソンマイケル・ソロカブライス・エルダーコルビー・アラードは、こちらの4人も20代半ばながら、すでにメジャーリーグで投げている。

 アラードは右脇腹、ソロカは左太腿裏の故障により、候補から外れたとはいえ、シュースターもドッドも、消去法――他に候補が誰もいなくなって――ローテーションに残ったわけではない。2人とも、今春は5試合に登板し、シュースターは18.2イニングで奪三振18と与四球4、防御率1.45。ドッドは18.0イニングで奪三振率20と与四球4、防御率2.00を記録している。

ディラン・ドッド(アトランタ・ブレーブス)Feb 25, 2023
ディラン・ドッド(アトランタ・ブレーブス)Feb 25, 2023写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 もちろん、蓋を開けてみないとわからないが、その経緯のせいか、ニューヨーク・ヤンキースのローテーション――それについては、「開幕前にローテーションが崩壊する。5人中3人が故障者リスト入り。代役を務める3人は…」で書いた――と違い、不安よりも期待が勝る気がする。与四球の数も、自滅する危険の少なさを窺わせる。2人とも、昨年の与四球率も悪くなかった。

 なお、ライトは、うまくいけば、4月半ばまでに復帰できそうだ。この点も、不安を感じさせない一因だろう。そうなると、シュースターとドッドのどちらかは、AAAへ降格するはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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