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開幕前にローテーションが崩壊する。5人中3人が故障者リスト入り。代役を務める3人は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョニー・ブリトー(ニューヨーク・ヤンキース)Feb 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・ヤンキースのローテーションには、ゲリット・コールカルロス・ロドーンネスター・コーテズルイス・セベリーノフランキー・モンタスの5人が並ぶはずだった。けれども、ロドーン、セベリーノ、モンタスの3人は、故障者リストに入って開幕を迎える。

 彼らに代わってローテーションに加わるのは、クラーク・シュミットドミンゴ・ハーマンジョニー・ブリトーになりそうだ。登板は、3月30日の開幕戦がコール、4月1日がシュミット、2日がブリトー、3日がコーテズ、4日がハーマン、5日は再びコールという順序だろう。

 直近の故障者、セベリーノの代役として最後に加わったブリトーは、位置づけとしてはローテーションの5番手となる。3試合目の先発マウンドに上がるのは、すでに開幕が近づいているため、他の投手の登板日をずらせなかった、あるいはずらしたくなかったからだと思われる。

 27歳のシュミットは、昨年、救援26登板と先発3登板で防御率3.12。降格と昇格を繰り返しながら、AAAでは先発8登板で防御率3.27を記録した。30歳のハーマンは、故障が癒えた昨年の夏から、ローテーションに加わった。先発14登板と救援1登板で防御率3.61だ。

 どちらも、コンテンダーのチームでなければ、ローテーションの一角を占めてもおかしくなく、代役としては適任のように見える。

 ただ、今春のエキシビション・ゲームの防御率は、5.28と8.71だ。なかでも、直近の登板は、シュミットが3月22日に3.2イニングで3失点(自責点3)、ハーマンは17日に2.2イニングで4本のホームランを打たれ、7失点(自責点7)。ともに不安を残す。

 一方、25歳のブリトーは、エキシビション・ゲームで防御率2.08を記録している。直近の26日は、5.1イニングを投げて無失点。被安打も与四球もなかった。

 もっとも、こちらは、まだメジャーデビューしていない。昨年は、AAの先発8登板が防御率2.36、AAAの先発15登板と救援3登板は防御率3.31ながら、メジャーリーグで好投できるのかどうかは、未知数といったところだ。ヤンキースは、3月11日にAAA行きを決めたが、セベリーノの故障により、ブリトーを呼び戻した。

 順調にいけば、ロドーンは来月中に復帰できるだろう。だが、セベリーノの復帰時期は未定。モンタスが戻ってくるのは、最速でもオールスター・ブレイク前後となりそうだ。

 代役の3人のうち、少なくとも2人が機能しなければ、ヤンキースはさらに先発投手が必要になる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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