ボーナスゼロ!ボーナス半減!ダウン割合別、向こう半年のやりくり術
やっぱり冬ボーナスは厳しい! 厳冬来る
先月、ボーナスが大幅ダウンする経済予測を紹介しました。実際のボーナス支給額についてデータが出始めていますが、かなり厳しい数字となっています。
11/19 Yahoo!ニュース 冬ボーナス10%減も?「厳冬」に備え、家庭内緊急事態宣言を発令せよ(GOTO行ってる場合じゃない!)
日経新聞の調査による速報記事では8%のマイナスとなっています。しかし、下げ幅は企業ごとの違いが大きく、上場企業でもゼロ支給から80%ダウン、66%ダウンとかなり厳しいところがたくさんあります。
日経新聞の調査は上場企業を中心としたリサーチなので、中小企業を含めた実態は、かなり厳しいものとなっていると思われます。
あなたの会社でも、ボーナス支給額が示されたことと思います。今回は「何割ダウンしたか」で分けて対策を考えてみたいと思います。
具体的には、ボーナス支給が
- なんとゼロだった!
- 半額になってしまった!
- 10~30%くらいのダウン!
- 前回なみだった!
の4つに分けてみます。
なお、前回の記事でも基本的な対策をまとめていますので、あわせてご覧ください。
ボーナス支給ゼロ! 緊急警報を出して半年乗り切れ
もし、あなたの会社がかなり業績厳しい状態で、ボーナスがゼロだった、という場合はどうすればいいでしょうか。
この場合、まず「次の夏ボーナスまでのボーナス払いの大型出費」について支給チェックします。住宅ローンのボーナス返済、教育ローンの返済などについては銀行に返済猶予ができるか相談してください。
受験費用や学費の支払いなど、金額が大きいが先送りできないものについては社内融資、銀行のローン(メインバンクの窓口できちんと相談するもの)などを利用し、とにかく低金利で借ります。日本政策金融公庫の教育ローン(いわゆる国の教育ローン)だと現在年1.68%で借入ができます。頼めるものなら親に頼んでもいいでしょう。
もちろん、定期預金などがまとまってあるなら、それを取り崩してもかまいません。預けてもほとんど利息はつかないわけですから、一時的に崩してやりくりしたほうが、利息のつく借金をするよりいいわけです。ただし2021年に問題が長期化する可能性を考えれば取り崩しは最小限度にとどめます。
もちろん、毎月の生活費の不足をボーナスで補える状況ではないですから、こちらも改善が必要です。毎日の家計も引き締めて半年を乗り切りましょう。
また、会社に内緒で転職活動もやってみることをオススメします。ボーナスゼロどころか給料すらもらえなくなってからでは遅いからです。
ボーナス半額になってしまった! けっこう厳しい
ボーナスは出たものの半減! という会社も少なくありません。それでも半分は出たのであれば、なんとかやりくりはできると思います。
まずは、必ず支払うべきお金を勘定してください。子どもの学費、家賃の更新料、ローンの返済額などを整理し、半分のボーナスで足りるか考えます。もし厳しい場合は、ボーナスゼロの項目を参考に、住宅ローンや教育ローンについて返済猶予は可能か銀行と相談します。
ボーナスからの貯蓄についてはこの冬は断念してもいいでしょう。できれば、貯金の取り崩しは避けたいところですが、どうしても苦しい場合は取り崩すことも考えてください。
半分はボーナスが出たことをなんとか活かし、とにかく借金をしないことに注力して半年を過ごしたいところです。
ボーナス10~30%くらいのダウン! 気を引き締めて
平均8%ダウン、といっても、実際に8%減っている人はあまりなく、実際には10~30%くらいダウンしている人が相当あるはずです。
ボーナスが10~30%くらいダウンしているということは業績には不安があっても、まだボーナスを支払う余裕が会社にはあるということです。
予定は狂ったものの住宅ローンのボーナス返済など、大型支出はなんとかまかなえるはずです。まずは支払いが確定しているものにお金を振り向けます。
ただし、毎月の家計の不足をボーナスから回してやりくりするようなスタイルは脱却したいところです。そして毎月の家計への補てん分を節約すれば、今回のボーナス減少分のかなりの部分がカバーできると思います。
とにかく、生活にかかる固定費からしっかり削ってみましょう。NetflixとAmazonプライムビデオをダブって契約しているようなサブスクの見直しなどは有効です。割安のスマホプラン(2021年からスタートするdocomoの新プランなど)に乗り換えてみるのもいいでしょう。当たり前の支出は1カ月くらい全部疑ってかかってみてください。
ボーナスからの貯金を断念する、あるいは減額することでなんとかやりくりできそうなら、今回はそれでもいいでしょう。でもできれば、もっと苦しくなったときのために、今は少しでも貯めておきたいところです。そして取り崩しはしなくてすむよう、がんばってみてください。
ボーナス支給 前回なみ! しかし油断は禁物だ
前回なみであった、あるいは前回よりちょっと増えた、という人はボーナス支給額の通知をもらって胸をなで下ろしたことでしょう。
巣ごもり需要などむしろ会社の業績がアップしたところでは前年比プラスのボーナスを支給した会社もあるようです。
また、昇格昇給や人事評価により個人的にボーナスがアップしたというケースもあります。
しかし、ここからは気を引き締めて半年を過ごすほうがいいと思います。次の夏も同じ状況が維持されるとは限らないからです。経営者向けの調査などでは、来年の夏も厳しいという回答が多数派となっているようです。
この冬ボーナスから使いまくるようなことは控えて、次の夏ボーナスまでの時期をやりくりしたいものです。特に貯蓄に回せる分があればしっかり貯めておきたいところです。
まとめ:2021年夏ボーナスに早くも暗雲 警戒を怠らず半年を乗り切ろう
さて、ボーナス支給水準別に、この半年間の対策を考えてみました。7月、12月とボーナスを支給する会社の場合、この冬ボーナスをしっかり計画的に使っていくことはとても大事です。実質的には7カ月のやりくりに充当する必要がある大事な収入だからです。
そして新型コロナウイルスの状況如何によっては、2021年の夏ボーナスについても厳しい状況が継続し、あるいは冬ボーナスより悪化する可能性もあると覚悟しておいたほうがいいでしょう。
先ほど指摘しましたが、経営者に対するアンケート調査などでは、2021年のボーナスについても悲観的な見通しが主流になりつつあるようです。つまり「夏ボーナスは元通りになる」と軽く考えないほうがいいでしょう。
まずは、2020年冬ボーナスのダウンを乗り切りってみてください。そして、2021年夏のボーナスが減る可能性にも備えておきたいところです。