メダル常連・米代表選手は日本より多い613人。日本が警戒すべき「手強い」選手は?(東京五輪)
米オリンピック・パラリンピック委員会(The United States Olympic & Paralympic Committee、以下USOPC)は13日、東京オリンピックに出場する選手団(チームUSA)を発表した。
オリンピック代表選手団は、総勢613人(女子329人、男子284人)になる。3大会連続で女子選手の方が多い。
選手の選考は2019年7月14日にスタートし、大会自体の延期も受けおよそ2年近く要したが、ここに来てようやく代表選手が決まり正式発表となった。
USOPCのCEO、サラ・ハーシュランド氏は同日に発表した声明で、「チームUSAは準備万全です。代表選手がスポーツ界の最高の舞台で闘うという夢の実現のために、我々がサポートできることを嬉しく思います」と述べた。
日本のオリンピック代表選手の数はと言うと、日本オリンピック委員会(JOC)が6日に開いた、東京オリンピックのオンライン結団式での発表によると、史上最多の582人(男子306人、女子276人)。これまで最多だった1964年東京大会の355人を大きく上回ると言う。
この数字と比べれば、アメリカの代表団の人数は開催国である日本より31人も多く、今大会最多ということになるようだ。613人は関係者も含む数かと思いファクトチェックしたが、USOPCの発表した資料には“613 U.S. athletes”と何度も出てくるので間違いではないはず。
ちなみに613人という人数は、USOPCによる発表によると、1996年のアトランタ大会の648名に次いで2番目に多く、2016年のリオ・オリンピック(558人)に比べても10%多い。
613人には、オリンピック出場経験のある選手193人を含み、メダル保持者は104人いる(金メダリストは56人)。
今大会に出場する、複数のメダル保持者(強豪選手)
- 陸上のアリソン・フェリックス(Allyson Felix)選手(9個:金6、銀3)
- 水泳のアリソン・シュミット(Allison Schmitt)選手(8個:金4、銀2、銅2)
- 水泳のケイティ・レデッキー(Katie Ledecky)選手(6個:金5、銀1)
- 体操のシモーン・バイルズ(Simone Biles)選手(5個:金4、銅1)
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今年4月に行われたオンラインサミット「Tokyo 2020 Team USA」で、これらの選手が東京大会への抱負を語った。
以下の選手も、それぞれ4つのメダル保持者
- バスケットボールのスー・バード(Sue Bird)選手(金4)
- バスケットボールのダイアナ・タウラシ(Diana Taurasi)選手(金4)
- フェンシングのマリエル・ザグニス(Mariel Zagunis)選手(金2、銅2)
- 水泳のシモーン・マニュエル(Simone Manuel)選手(金2、銀2)
バード選手とタウラシ選手は、04年のアテネオリンピック以来、過去4大会で金メダルを連続獲得しており、今大会で5度目の金メダルを狙う。
613人のうち、過去に他国の代表選手としてオリンピックに出場した選手は4名。最年長の総合馬術、フィリップ・ダットン(Phillip Dutton)選手は、1996年、2000年、04年にオーストラリア代表として出場したことがある。今大会はチームUSAとして、57歳にして4回目(オーストラリア代表も含めると7回目)の出場を果たす。
最年少は、水泳のケイティ・グライムス(Katie Grimes)選手で、2006年生まれの15歳!
米代表選手が参加するのは44の競技で、338のメダル種目のうち268の種目にアスリートもしくはチームとして少なくとも1エントリーする。
ほかにも強豪選手、注目選手は数え切れないほどいる。613人のうち75%が大学生アスリートと若い。期間中のサプライズも多いにありそうだ。
なお、パラリンピックの代表選手は8月上旬に発表される予定だ。
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(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止