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【手帳の考え方】記入面の各部に役割を割り当てて、記入して活用。これこそがノートや手帳の活用の肝

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

 今までこの配信枠では、ToDoリストの書き方や、そのための文房具各種について解説してきました。

 具体的には、なぜ書いた方がいいのか、またその書き方。さらにふせんや情報カード、ルーズリーフミニ、手帳、ポメラのアウトラインプロセッサ機能などの各種ツールを使ったToDoリストの違いについて説明してきました。

 そして、ひとつ取り上げなかった物があります。それが、A4の無地のコピー用紙です。 コピー用紙はどこのオフィスにもプリンターの中にある点で、ある意味もっとも手軽な紙です。ふせんやノートなどよりも身近な存在です。

 また、A4の紙をテーマにした情報整理の方法の書籍も多数存在します。
 ですが、たとえば、ToDoリストを書くために使おうとするとやや面倒です。
 それは以下のような理由によります。

A4の紙を使いこなすには

 まず、紙が大きい。とくにToDoリストのような、各種の要素、すなわちToDoの中身や想定所要時間、実行の目的やゴールなどを書くためには、罫線が必須です。

 これらの要素を空間的に見やすく記入、配置するには、無地のA4はあまりにも広大です。なので、以下のような工夫が必要です。

 まず縦横に4等分します。
 その上で、各面に役割を割り当てて使うようにします。
 以下は一例です。

  • 左上 今日やることのリストアップとその詳細
  • 右上 今進行しているプロジェクト各種とそのゴール(初期、中間、最終)
  • 左下 今日のToDoに必要な情報
  • 右下 上記全てに関連する各種の覚書をメモ

 もちろん、たとえば、Webサイトの大まかな図をA4全体に書くとか、イラストを描くのならば、こういう工夫は不要です。1つの面全体を使えばいいわけです。

 ですが、文字だけで各種の情報を整理しようとすれば、そこには自ずから何らかの秩序が必要です。
 マインドマップのような方法もありますが、ノウハウの習得が不可欠です。

 なので、まずは面を分割し、それぞれに役割を割り当てて情報を記入していく方法を、身につけるなり、自分で編み出すなりする必要があるわけです。

面の分割と役割の割り当てこそノート/手帳の使いこなし

 そしてもうお気づきだと思いますが、この面の分割と役割の割り当てこそ文具の使いこなしです。たとえばメモ帳でも、タイトルと日付を入れてそれ以外の情報をどう書くのか、面をどう分割してどこに何を書くのかがポイントです。

 これも本当にいろいろな指南書があります。またその指南書を元に別の人が自分のノウハウをまとめたものが新しい指南書として登場します。おそらくそのサイクルは今後も繰り返されるでしょう。

 念のために言えば手帳も同じです。時間軸に沿って何をどう書くか。あるいはそれを無視したり、別のなにかに見立てたりして何をどう書くかが、手帳の使いこなしです。

 さらに言えば、自分なりのノウハウを編み出して生み出されたものが、大手メーカー以外から発売されている各種のほこら系手帳なのです。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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