能登半島地震で孤立した被災者を、阪神淡路大震災の経験から推測してみる!発煙筒でSOSの発信も可能
2024年1月1日に発生した、令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被害を受けられた皆様の安全と、1日でも早く平穏な生活に戻られますことを、心よりお祈り申し上げます。
元旦に起こった災害は予想以上の被害だった!
元旦に発生した能登半島地震は、震度7を観測し大津波警報が発表されるなど、日本列島に衝撃が走りました。
X(旧Twitter)を見ると、30分も経たないうちに現場の被害映像が公開され、ニュースよりも早く甚大な被害が起きていることが分かりました。
時間の経過とともに被害の状況が分かりつつありますが、本稿を執筆している1月8日時点でも全ての被害状況は分かっていません。
ただ、いえることは「想像していた以上に酷い被害となっている」ことです。
阪神淡路大震災の時も孤立した避難民に救援物資が届かなかった
阪神淡路大震災は1995年(平成7年)1月17日なので、既に29年経過しており当時と現在の状況を単純には比較できないでしょう。
しかし、現状をみると当時と似た状況に陥っています。
当時筆者はインフラ関係の仕事に従事しており、被災地にてインフラの復旧チームに属していました。
被災地に泊まり込み、現地にてインフラ復旧を行っていましたが、救援物資がまんべんなく被災者に届かない現実を目の当たりにしました。
消費期限の短い食料は配給所近くに多く配布された
お弁当やおにぎりなど消費期限が1~2日程度の食料は、配給所に長時間保管できません。
無駄にしないために急いで配るのですが、どうしても配給所の近くにある指定避難所に多く集まってしまいます。
すると、避難所では消費できないほどのお弁当やおにぎりが集まる結果となり、指定避難所以外に避難している方には届かない現実がありました。
災害時には安否確認と避難先の把握が重要となる
これまで複数の自治体の地域防災計画の策定に携わってきましたが、自治体が設置する災害対策本部での情報把握は計画通りにはいきません。
その理由は、自治体で把握できる避難者は指定避難所に避難している住民が基本となるからです。
そのため、自宅避難している方や複数人のコミュニティを形成して避難している方、公民館など指定されていない施設に避難している方は、自らが自治体に申告しないと存在が分からないのが現実です。
実際に、携帯電話も使えない状況では指定避難所以外で避難している方の把握は、非常に難しいといえるでしょう。
地域防災計画に発煙筒の使用を提案
地域防災計画の策定をサポートしていた際に、孤立集落のみならず自治会単位に発煙筒を配布し、煙の色で対策本部との連絡をする手段を提案しましたが笑われて即却下されました。
しかし、今でも発煙筒による連絡手段は有効だと自分では思っています。
安価で誰もが使える!
例えば、「救助を要請する際には赤い発煙筒を使用する」と決めておけば、発煙筒を焚くことで生存を知らせ、救助を求めていることが分かります。
しかも、衛星携帯電話よりも安価で広い範囲に配布が可能で、誰もが使えるメリットがあるはずです。
空からの視認でなく、平地からの視認が可能
内閣府の孤立対策には上記のように、「地上に文字を書く等の手段の活用」も記載されています。
実際に今回も複数の地域で、パイプ椅子などを使って「SOS」の文字を書いて救助を求めていました。
しかし、この手段はヘリコプターなどによって上空からの視認による手段であり、一定の広さが必要となります。
一方で、発煙筒なら広い敷地は不要で、上空だけでなく平地からも視認が可能であり、避難者の存在をより確実に知ることができるはずです。
現在も取り残されているなら、自動車にある発煙筒で知らせるのも有効
万が一、現在も孤立し取り残されていて、存在に気付いてもらえていないなら、自動車に装備されている発煙筒を焚いて、煙で知らせるのも有効です!
煙が上れば、防災ヘリが見つけてくれますし、近くの地域の方が煙を火災と思い、消防に通報する可能性が高くなります。
ただし、火災にならないよう注意も必要です。
「Yahoo!天気アプリ」から、トイレ、支援物資拠点、通行止め情報が確認可能
スマホに「Yahoo!天気アプリ」をダウンロードすれば、石川・富山・新潟のトイレ、支援物資拠点、通行止め情報が確認可能となっています。
被災地で現状を確認できる、とても有効なアイテムなのでご紹介しておきましょう。
アプリを開いて、トップページを下にスクロールさせると上記の画面が表示されます。
赤い部分をクリックすると、マップにて各情報を取得できます。
報道されないたくさんの地域で被災している現実がある
被災状況を報道できる地域は限られており、どうしても大きな被害が起きる地域がクロースアップされます。
阪神淡路大震災時でもそうでしたが、倒壊建物が多い場所だけでなく、広い範囲で被災していました。
しかし、報道されないことから救助が後回しになったり、義援金が届かない地域があったのも事実です。
これまでの過去の被災経験を活かして、できるだけ多くの被災者の方に広く救助・救援・支援の手が差し伸べられることを祈るばかりです。