はらぺこライターの旅人間です。今回は静岡県御殿場市から食レポです。御殿場市と言えば、富士山周辺・箱根観光への交通拠点として知られ、金時山を挟む小山町や南足柄市とも隣接している。

金時山は日本昔話で知られる金太郎が生まれ育った場所。現在、私は金太郎伝説のゆかりの地を巡っている。だからとは言わないが…

少し「きんたろう」という名前に敏感なのかもしれない。

この店の名前は「ラーメン きんた」という。東名の御殿場ICから車で約5分ほどの場所にある小さな中華料理屋さんだ。見るからに素朴で庶民的な雰囲気のこの店は絶え間なく満席状態になるのだそう。

地元のグルメ通の胃袋をグッと握る”地元の人気店”に行ってみた。

閉店時間が迫る午後８時過ぎに入店すると、店内は等間隔に席はほぼ埋まっていた。店主は炎が立ち上がるフライパンを振りながら忙しそうにしている。しかし、「いらっしゃい、どうぞ」と厨房から目をあわせて声をかけてくれる。

今回は金太郎伝説の取材の関係もあり、金時山の周辺で”きんたろう”に関わる店をリストアップしていた。

今回のような取材のケースの場合、出会った地元の方に「これらの店って、どんな感じ？」と何気に聞くようにしている。人の評価は様々とは言え現地で魅力的な情報の多い店ほど興味深い。その中でも特に評判が良かったのが同店だ。

料理の味だけではなく、店主の人柄について語る人もチラホラ。そこが妙に印象的だったが…。なるほど！やっぱり地元情報はよく当たる。店内に入った瞬間の「いらっしゃいませ」だけで、人の心をギュッとつかんでいる。

これは簡単そうに見えて、なかなか難しいことではないだろうか。声、表情も含めて、忙しい中でも常に気を配る。そりゃ～人気店になるよね。気になる方は来店してみると、きっと意味が分かるだろう。

さて、今回注文したのは「担々麺」だ。地元の方に聞いた話によると「担々麺」が一番人気だそう。

その味の印象は、辛さ甘みがバランスよく混じった感じ。担々麺と言えば「辛味」を期待する人も多いだろうが、同店の味はそうではない。これは私の感覚になるが、食べ進めるほどに味が増すというか奥深くなる。

最初の一口目は普通の印象だが、半ばを過ぎたころには中毒のように感じるといった感じである。スープも最後まで飲み干してしまった。

そして、半チャーハンも注文した。予定はなかったがフライパンを転がす音、そして店内に染み付いた油の香りに負けたのだ。

意外過ぎるほどアッサリとした味。薄いのではないアッサリだ。後味に旨味が残る味わいというのか。味の濃い担々麺との相性は決して悪くない。

大阪から静岡県に来てるなら、もっと地元の名物でも食べたら良いのに…。と自分でも時々思うが、いやいや、その地元庶民的なで人気の町中華も”名物の一つ”と感じている。ラーメンは日本中どこでも食べられるが、この店の味、そして雰囲気はオンリーワンなのだ。

地元で人気の食堂にアンテナを張って、旅先で巡るのも実に楽しい。

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