台風26号「観測史上最も強い」勢力でサイパンなど直撃
25日、猛烈な台風26号がアメリカ自治領・北マリアナ諸島を直撃しました。島通過時の中心気圧は905hPaで、この地域としては観測史上最強の勢力での直撃となりました。今年アメリカは度重なる記録的な嵐に見舞われています。
台風26号直撃
現地時間25日未明、猛烈な台風26号(国際名:イートゥー)がアメリカ自治領・北マリアナ諸島のサイパンやティニアン島を直撃しました。島通過時の中心気圧は905hPa、最大風速は60メートルで、北マリアナ諸島における観測史上最強の台風となりました。
統計が始まって以来、この規模で台風がサイパンなどを直撃したことは一度もありません。1997年に台風24号が中心気圧905hPaの勢力でサイパンに接近しましたが、その時台風の中心は海の上でした。
被害
サイパン国際空港では秒速46メートルの瞬間風速が観測されています。ただその後観測器が壊れたために、これ以上の風速は観測されていないようです。
今年アメリカは記録的な嵐続き
このように26号はアメリカ領である北マリアナ諸島にとって観測史上最強の台風となりましたが、今年はこれまでにアメリカで複数の記録的なハリケーンが上陸し、大きな被害が出ています。
【ハワイ】
まず8月にはハリケーン・レインがハワイに接近し、カウアイ島で1,300ミリ超の雨が降って、ハリケーンによる雨量では全米史上2位の記録となりました。その後9月にはトロピカルストーム・オリビアが観測史上初めてマウイ島に上陸しました。
【本土】
さらに9月、ハリケーン・フローレンスがノースカロライナ州に上陸し、900ミリ超の雨を降らせ、ハリケーンによる雨量としては州史上最大となりました。続けて10月にはハリケーン・マイケルが全米史上3番目に強い勢力でフロリダ州に上陸しています。
去年も一昨年も
記録的な嵐は今年だけにとどまりません。
去年はアメリカ自治領プエルトリコにハリケーン・マリアが上陸し、ハリケーンの死者数としては全米史上2番目に多い2,975人の犠牲者が出ました。
さらに2016年にはハリケーン・ハービーがテキサス州に上陸、1,500ミリ超の雨を降らせ、ハリケーンによる雨量としては全米史上1位の記録となったのです。
温暖化の影響によって、動きが遅く、また急速に発達するハリケーンが増加しているという研究結果があります。動きが遅いということは、雨量も増えるということです。こうしたことも背景にあって、強さ、雨量ともに記録的な嵐がこのところ増えていると考えられるのです。