「ハリケーン・マイケル」全米史上3番目の強さでフロリダ上陸
ハリケーン・マイケルが、全米史上3番目に強い勢力でフロリダ州に上陸しました。強風や高潮などで多くの建物が崩壊し、死者も出ています。さらに来週には、ヨーロッパ西部に温帯低気圧として到達するおそれも出ています。
「カテゴリー4」で上陸
現地時間10日14時頃、ハリケーン・マイケルはフロリダ州北西部のメキシコビーチ周辺に上陸しました。上陸時の中心気圧は919hPa、最大風速は69メートルで、勢力は上から2番目に強い「カテゴリー4」でした。この勢力でハリケーンがフロリダ州北西部に上陸したという記録は過去にありません。
また、中心気圧919hPaでの上陸は全米史上3番目の記録です。2005年にアメリカ南部に上陸して1,800人以上の死者を出したカトリーナ(920hPa)ですら、マイケルよりもやや弱かったのです。
マイケルの被害
フロリダ州などで甚大な被害が発生しています。
暴風により学校の体育館の屋根や壁が吹き飛び、また家がばらばらに壊れるなど、まるで大きな竜巻にあったかのような光景が広がっています。さらに高潮や大雨の影響で家が屋根まで水に浸かり、道路が川と化している地域もあります。停電は一時50万世帯に及び、これまでのところ2人が倒木により死亡したと伝えられています。
マイケルの現況と今後
現地時間11日(木)5時時点の中心気圧は983hPa、最大風速は23メートルです。マイケルはハリケーンよりも弱いトロピカル・ストームの勢力で、ジョージア州を北東に進んでいます。11日(木)夜にかけて「フローレンス」の直撃を受けたばかりのノースカロライナ州に進む見込みです。
その後12日(金)までに温帯低気圧に変わり、大西洋を横断して、15日(月)にもイギリスやフランスなどヨーロッパ西部に到達するおそれが出ています。
3年連続の「M」
この3年間、アメリカはハリケーンによる度重なる被害を受けています。2016年には「マシュー(Matthew)」がフロリダ州東部に最接近し、50名近い人々が亡くなりました。
続いて2017年には「マリア(Maria)」がアメリカ自治領・プエルトリコを直撃し3,000人が死亡、ハリケーンによる死者数としては全米史上2番目の記録となりました。
「マシュー」も「マリア」も壊滅的な被害をもたらしたことから、その名前が永久欠名になっています。つまり、以後同じ海域ではこれらの名前が使用されないのです。おそらくマイケル名も除かれると予想されます。
偶然なことに、これらすべてのハリケーンの名前はMから始まっています。ハリケーンの名前はアルファベット順なので、Mのつくハリケーンは13号ということです。
今後人々は「M」のハリケーンに身構えるようになるかもしれません。ちなみに来年のMは「メリッサ(Melissa)」、再来年は「Marco(マルコ)」です。