またもハワイにハリケーン接近 今度は直撃のおそれ
追記(9月14日):オリビアは現地時間13日朝9時にマウイ島西部に上陸しました。上陸時の中心気圧は1005hPa、最大風速は20メートルで、マウイ島では24時間で196mmの雨を観測しました。
先月ハリケーンの影響を受けたばかりのハワイに、別のハリケーン「オリビア(Olivia)」が接近しています。現地時間11日(火)から12日(水)ごろにハワイを直撃する可能性が高まっており、現地では嵐への備えが始まっています。
ハリケーン・オリビアの予想進路
現地時間9日(日)午後11時時点、ハリケーン・オリビアは中心気圧980hPa、最大風速39メートル(カテゴリー1)で、毎時15キロの速度で西に進んでいます。
11日(火)夜から12日(水)朝にかけて、トロピカルストーム(最大風速17-33メートル)の勢力でハワイ島からオアフ島の地域を直撃する可能性が高まっています。予想される雨や風の強さは以下のとおりで、竜巻や高潮による浸水のおそれもあります。
ハワイ島、マウイ島、オアフ島などには「トロピカルストーム注意報」が出されており、地元のテレビなども嵐に備えるよう呼び掛けを行っています。
ハワイには今年2つ目
ハワイは先月ハリケーン・レイン(Lane)の接近により被害が出たばかりです。
レインはハワイ本島に直撃はしなかったものの、8月23日にハワイ島に最接近し、4日間で1,300ミリ以上の大雨を降らせました。これはハリケーンによる雨量としては、全米史上2番目の記録です。
一方ホノルルは被害が少なかったものの、ハリケーンに備えて学校が休校、航空便も欠航、またアラモアナショッピングセンターなど多くの商店や銀行も休業するなど、警戒態勢が敷かれました。
オリビアはレインよりも弱い勢力でハワイに近づくことが予想されていますが、それでも直撃のおそれがある分、大きな被害が心配されます。
いつもはハリケーンが少ないのに…
一般的にハワイは、ハリケーンの直撃が少ないことで知られています。
観測開始以来ハワイ本島に上陸したトロピカルストームとハリケーンは1959年ドット、1992年イニキ(ともにハリケーン)、そして2014年イセル(トロピカルストーム)の3個しかありません。
ハワイにハリケーンが少ない理由の一つは、ハワイ周辺の海水温が低いことが挙げられます。しかし今夏は、ハワイ近海を含めた北東太平洋の海水温が例年よりも高くなっており、8月だけで5つのハリケーンが発生しました(年平均8-9個)。
さらにコロラド州立大学のKlotzbach博士によると、先月はハリケーンの発生期間、総エネルギー共に、これまでの記録を更新したということです。