街の名物「塩大福」は塩味がきいたほくほくの粒餡たっぷり!お散歩やピクニックにもおすすめです
いつの間にか春の陽気が訪れたかと思いきや、袖をまくる仕草を何度も何度も見かけた2024年4月の週末。かくいう冷え性の私ですら、袖をまくっても日向では額に汗がにじんでしまうほど。
そんな時はキンキンに冷えたビールで喉を潤しお気に入りの肴とエンドレス、なんて方もいらっしゃるかと思いますが、私は塩味と甘味のエンドレスの方が好みでして。とはいえ、すでに桜餅の季節も終了し、かしわ餅の味噌餡をいただこうかと思った散歩道で思い出した名物が。
東京都は江東区、清澄庭園にも程近い和菓子屋さんにはあんこ好きさんにいちおしの大福があるのです。今回は埼玉県から移転し大正6年に創業なさった「よしだや餅菓子店」さんの代名詞のひとつともいわれる「塩大福」をご紹介。
拘りの糯米は、宮城県産「みやこがね」を仕様。つるりとした細雪のような透き通る肌質のお餅は、みやこがねのきめ細やかさ、滑らかさといった魅力を存分に発揮。また、むにんと柔らかく前歯が沈み込むものの歯切れがよく、かと思えばしゅるしゅると伸びるのに噛んでいくとコシもある。シンプルなのに実においしいとこどりなお餅です。
そしてなんといっても、よしだや餅菓子店さんの塩が効いた粒餡!こちらなくして塩大福は成り立ちません。ぎゅっと全体を引き締めてくれる塩は、かたや小豆の素朴さを全面的に支えてくれるような役割を担っているのです。
ふっくら、ほくほくとした小豆や皮の食感を堪能しつつ、心地よい渋みがあるからこそ素朴な安らぎが口の中から胃袋へと伝わっていく粒餡。新しい出会いとなるか、どこか懐かしい再会となるか別れそうなところですね。たっぷりとしたお餅で包まれていても、飽きずに最後までぺろりといけてしまいます。
かつては周辺の材木問屋の職人からも愛されたんですよ、とお店の方がおっしゃってくださいました。確かに体力を要する職人さんたちにとっては、塩分と当分を同時に補給しながら、ほっと一息つけるこちらの塩大福が一日の楽しみだったのかもしれません。私も駅までの道すがら段差に腰掛けていただいていたら、真剣なまなざしで材木と向き合う力強い職人さんがふと笑顔になれる瞬間が頭に浮かんだような気がしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<よしだや餅菓子店・本店>
東京都江東区白河4-1-3
03-3641-2901
8時30分~19時30分
定休日 木曜