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カナフレックス野球部 創設10年目の戦い

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
※4月25日の日本新薬戦でタイムリー放ち、一塁でガッツポーズの奥野祥生選手。

 元阪神タイガースの藤井宏政さんが、2013年12月の野球部創設時から選手として、またコーチや助監督としてかかわってきた社会人野球のカナフレックス。ことし10年目の節目を迎えたこともあり、4月15日に退社した藤井さん(野球部の活動は3月末の春季京都府大会まで)も、チームの躍進と選手の成長を心から願っています。

 詳しくはこちらでご覧ください。→<カナフレックス・藤井宏政助監督(元阪神) 社会人野球10年目の決断と後輩たちへ託す思い

 きょう5月22日からは『第94回都市対抗野球大会』の近畿地区2次予選が、大阪シティ信用金庫スタジアムとわかさスタジアム京都で行われます。その前にカナフレックスが出場した、社会人日本選手権の対象(優勝すれば出場決定)となるJABA大会の結果をご紹介しましょう。

藤井宏政さんの高校の後輩でもある武田勇樹コーチ。試合前のノックを打っているところです。
藤井宏政さんの高校の後輩でもある武田勇樹コーチ。試合前のノックを打っているところです。

◆JABA京都大会

 カナフレックスは今季、日本選手権対象のJABA大会2つにエントリーされていました。まず4月末の『わかさ生活・第73回JABA京都大会』です。

 昨年は東京スポニチ大会を欠場したため5月のベーブルース杯大会のみ。予選リーグはカナフレックスを含むDブロック3チームが2勝1敗で、勝率もポイントも並びました。でも総失点の差(北海道ガス6、カナフレックス9)で2位となり、決勝トーナメントへ行けなかったんですよね。

 その悔しさと同じくらい、自分たちが“戦える”と実感して臨む今季。JABA京都大会の同じブロックにいた日本新薬の存在も闘志をかき立てたかもしれません。昨年と同じく準優勝だった3月の春季京都府大会も、決勝が2年連続で日本新薬戦だったのです。

【4月25日 日本新薬】

 ここまでオープン戦を含めて一度も勝ったことのない日本新薬ではありますが、戦う前から諦めてなどいません。相手に不足なし。先発は2年目の中島恍希投手でした。

日本新薬-カナフレックス

  (わかさスタジアム京都)

 カナ 000 110 000 = 2

 新薬 030 010 10X = 5

 ▼バッテリー

  [カナ] 中島-東郷-日高 / 房前-藤田

  [新薬] 木下-西川 / 鎌田

 ▼本塁打 新薬:若林ソロ(中島)

 ▼二塁打 カナ:奥野、岡田 新薬:鎌田

 《試合経過》※敬称略

 1回はわずか5球の三者凡退で立ち上がった中島ですが、2回はホームランとタイムリー二塁打で3点を先取されます。打線は4回に先頭からの3連打(奥野タイムリー)で1点を返し、5回は岡田がタイムリー二塁打を放ち、3対2と1点差。

 しかしその裏、中島は四球とヒットで1死満塁としてタイムリー。7回にも1点追加され、打線は6回以降、日本新薬・西川の前に1安打1四球のみで無得点。5対2で敗れました。

痛かったホームラン

 試合後、福間納監督は「あのカットボールのホームランが痛かったなあ。真っすぐは振り遅れて、ほとんどファウルしていたから抑えられたかも…。あれがなかったら5回くらいまでスーッといけたはず」と、2回のソロホームランを悔やみます。

 続けて「5対2という点差だけど、互角に十分やれていると思うよ。あと2試合が楽しみ。2つ勝って2勝1敗にせんと。何があるかわからないから」という言葉。そうですね。実際、日本新薬が3戦全勝ではありませんでした。

 ついで中島投手。ホームランは「変化球が甘く入ったのもあるんですけど、抜けて持っていかれたという感じです」と振り返ったあと「でも、(5回の)4点目が要らなかった。3対2と4対2は違う。しかも1点取ってもらったあと取られたのが…。あれで決まってしまったかも」と猛省。

 次に期待します!「はい。大会で、企業チームとの対戦で初めて先発をしたので、これが都市対抗予選じゃなくて逆によかったかなと。これを生かして、また新薬とやる機会があったらやり返したいですね」

※先発した中島投手。この日の直球はマウンドでの投球練習で145キロ、打者に対しては144キロが最速でした。
※先発した中島投手。この日の直球はマウンドでの投球練習で145キロ、打者に対しては144キロが最速でした。

新加入の2人が活躍

 野手は新加入の2人です。まず5回に同点のタイムリー二塁打を放った岡田裕斗選手。3月のオープン戦では3打席連続ホームランもあったとか。売りは打撃?「そうですね、バッティングをセールスポイントにやらせてもらっているので。きょうはDHだったから何とか結果を出したいと思って臨みました」

 「最近ちょっと調子が悪くて…。ケガもあって打席にあまり立てていなかったんですけど。結果を恐れずにストライクは全部振ろうという気持ちでいきました。(1打席目は)バットが折れたけど初球を振れたので自分の中では切り替えて、いい形で2打席目に入れてよかったです」

 長打も魅力?「そんなに長打が出るような選手ではないと思っていたんですけど、ことしカナフレックスに来てから、けっこう長打が出ているので、ちょっとバッティングが変わってきているのかなという感じがします」

 岡田選手は新加入ですが、新人ではなく移籍組。「神奈川のジェイファムというクラブチームで2年やっていました。出身が京都なので関西で野球ができるチャンスをいただいて嬉しい」。わかさスタジアム京都はもう地元中の地元?「はい(笑)、そうですね」

試合前のノックを受ける岡田選手。いったんは追いつくタイムリー二塁打を放っています。
試合前のノックを受ける岡田選手。いったんは追いつくタイムリー二塁打を放っています。

 続いて大阪教育大卒の奥野祥生選手です。この日の守備はセカンドでした。「セカンドで公式戦のスタメンは初めてですね」。初回に早速ライナーとゴロが。「はい。飛んできてくれて(笑)、よかったです」

 5回に2点目が入って、なお2死一、二塁の場面で粘りつつも三振…惜しかった。「ああいうところで1本出るかどうかは、自分がもっとチームで主となっていけるかどうかの境界線やと思うので、1本出せるようにしたいです」

 4回のタイムリー、ガッツポーズをしっかり撮りました!「ほんとですか(笑)。ベンチからのガッツポーズが見えていたので、それに応えた感じです」

ベンチに応えたガッツポーズは冒頭の写真で、こちらは試合前の奥野選手です。
ベンチに応えたガッツポーズは冒頭の写真で、こちらは試合前の奥野選手です。

【4月27日 KMGホールディングス】

 この試合は大石亮人投手が先発。奥野選手にホームランも出て逆転勝ちでした。取材に行けなかったので、結果だけ書いておきます。

KMGホールディングス-カナフレックス

  (マイネットスタジアム皇子山)

 KMG 010 002 000 = 3

 カナ 000 220 02X = 6

 ▼バッテリー

  [KMG] 飯村-平野-仁木 / 大久保

  [カナ] 大石-東郷-日高 / 房前

 ▼本塁打 カナ:奥野2ラン(飯村)

 ▼二塁打 KMG:福光、野中 

      カナ:古和田、米倉

 《試合経過》※敬称略

 先発は大石。2回に2死から連打(7番・野中にタイムリー二塁打)で先制を許したものの、3回まで1安打無得点だった打線が4回、古和田の二塁打のあと奥野の2ランで逆転しました!

 5回に3連打を浴びながら抑えたバッテリーに応え、その裏は石森のバントヒット、守屋の四球などで2死一、二塁として米倉のタイムリー二塁打で2点を追加。

 6回に登板した東郷が四球からタイムリー二塁打を浴び、さらに2死後にタイムリー。これで4対3と1点差に追い上げられます。

 しかし日高が残りの3イニングで4四死球を与えながらも0点に抑えると、打線が8回に1安打3四球とボークなどで1死満塁とし、暴投で2点を追加。6対3で勝利です。

先発して5回1失点だった大石投手。これは4月25日の写真です。
先発して5回1失点だった大石投手。これは4月25日の写真です。

【4月28日 日本製鉄東海REX】

 1勝1敗で迎えた大会4日目、カナフレックスの前に試合を行った日本新薬が負けて2勝1敗となりました。同じ勝敗なら直接対決で負けているカナフレックスは不利ですが、万が一の他力本願…なんていう望みもチラリ。まずは自力で勝ちたいところです。

カナフレックス-日本製鉄東海REX

   (マイネットスタジアム皇子山)

 カナ 100 010 100 = 3

 東海 200 000 000 = 2

 ▼バッテリー

  [カナ] 大西-中島 / 房前

  [東海] 浦本-新原-続木 / 石川-阿保

 ▼二塁打 東海:加藤辰、金子

 《試合経過》※敬称略

 1回に古和田が中前タイムリー!いいスタートだと思ったら…その裏に先発の大西が2点タイムリーを浴び、すぐに逆転されました。以降も走者を背負うことの多かった大西ですが、粘りに粘って追加点を与えません。

 その粘投に応え、5回1死から3連続四球のあと米倉がタイムリー!7回はエラーと犠打、内野安打で1死一、三塁のチャンスに4番・奥野が右前タイムリー!大西は6回を三者凡退に切って取り、7回も1安打されながら自身の牽制で刺すなど3人で片付けます。8回からは中島が登板して2イニングを無失点で試合終了。

※8回から登板した中島投手。9回は2死から「ちょっと引っかかった」という死球があったものの、最後は中飛で締めました。
※8回から登板した中島投手。9回は2死から「ちょっと引っかかった」という死球があったものの、最後は中飛で締めました。

投手兼任コーチはいつもの粘投

 福間監督に、大西健太投手が粘りましたねと言うと「それも大きいよ。いつ代えようかと思っていたけど、いつもの粘りを出してくれたので。もうほんと、いつもの粘りよ。ハラハラするけど」と笑顔です。

 若いピッチャーも切磋琢磨している様子。「中島は去年の日本選手権で147キロ出して、それからちょっと自信をつけたかな。いいピッチングをしたらプロのスカウトが見てるでと言ってる。だから可能性はあると。他のピッチャーにもね。それが励みになって、より以上の力が出ることもあるから」

 大西投手は「初回はちょっと体が合わなかったようで、高めに抜けるボールが多かった。はっきりしすぎてキャッチャーもリードしづらかったかなと。2回からは意識を変えて投げたら変化球もまとまってきて、徐々にいろんな球種をコントロールできるようになったのが、ある程度粘れた要因かなと思いますね」

 交代については「いろいろ考えて、中島が日本新薬戦で悔しい思いをしているだろうというのもありますし。福間さんはランナー出てから代えようかと言われましたけど、僕の経験からして、やっぱりイニングの頭から行かせてあげた方が責任を持てると思って。最後は福間さんの決断です」とのこと。

 そういうことも考えなくてはならない立場ですね。「ピッチャーは数が少ない中、他のチームと違って全員が戦力で、全員に投げるチャンスがある。いい経験、いい刺激をしあいながらやっています。誰かが結果を出すとうらやましいと思い、出せなかったらやられたなと思って。そういう相乗効果があっていいと思います」

※滋賀県のチームだけど、この皇子山ではあまり試合をしていないとか。それもあって立ち上がりは苦労した大西投手です。
※滋賀県のチームだけど、この皇子山ではあまり試合をしていないとか。それもあって立ち上がりは苦労した大西投手です。

タイムリーの2人

 まず先制タイムリーの古和田仁選手。ナイスバッティングですね。「バントのサインが出ていて…」。あ、そうでした!ファウル2つで2-0になった。「それで右打ちのサインで、けっこう真ん中付近に来たので素直にバットが出たかなと思います」

 米倉凌平選手は5回2死一、二塁で同点タイムリー。「あれはガチで、たまたまです。真っすぐ張っていたんですよ、あの時。でもスライダーが来て、ヤバッと思ったけどバットが止まらなくて、先っちょに当たったのがいいところに落ちたみたいな感じなので。ガチたまたま」

 次打席のバントも初球で決めたのはさすが。「あれはもう、いつも通りです。余裕です(笑)」。守備で最後のエラーは残念だったけど…やっぱりセカンドがいいですか?「セカンドがいいです!はい、もう書いておいてください。セカンドがいいです!」

※1回に先制タイムリーを放った古和田選手。すみません…これは3回(一ゴロ)の写真です。
※1回に先制タイムリーを放った古和田選手。すみません…これは3回(一ゴロ)の写真です。

※7回、初球で犠打を決めた米倉選手。余裕ですね!
※7回、初球で犠打を決めた米倉選手。余裕ですね!

1番の仕事をきっちり

 1番を打った新加入の石森亨選手は初回、先頭でヒットを放って先制のホームを踏み、7回は相手エラーで出て決勝点となる生還を果たしました。

 「1番の仕事をできたかなとは思うんですけど。ショートゴロが2個あって、2個ともヒットにできたボールだったので…。打ち損じましたけど、でもエラーを誘えたのはよかったです」。あの1点がのちのち大きく響きますからね。

 セールスポイントは?「どっちかっていうと打撃よりは守備で、肩とか守備範囲。あとは盗塁も。バッティングだと内野ゴロが内野安打になるところ」。独立リーグで4年やってカナフレックスへ来たという石森選手。

 「一応、僕は野手の中で最年長なので見本になるよう、背中で見せるという感じでやっていきたいですね」

1番を打って、2得点を記録した石森選手。写真は4月25日のものです。
1番を打って、2得点を記録した石森選手。写真は4月25日のものです。

3試合で打率.455

 奥野選手には7回の決勝打について聞こうとしたら「それより5回の2アウト満塁で…」との言葉が真っ先に出てきます。5回というと、米倉選手の同点タイムリーのあと古和田選手の四球で2死満塁となった場面、セカンドライナーでした。

 「あそこで1本出て波に乗っていけたらよかったのに。いい当たりではありましたけど」。そこが一番悔しかったわけですね。でも7回に勝ち越し打。高めの球をうまく運べたのでは?「出てよかったです。仕事ができてホッとしました」

 なお27日のKMG戦では4回に逆転2ランも!「球種はフォーク。そんなに打った瞬間っていう感じではなかったんですけど、上がり方と打った感触はまあよかったので、入ってくれてよかったかなと思います」。この大会で奥野選手は11打数5安打4打点の成績でした。

※2対2の7回、奥野選手が勝ち越し打!うまくセンター前へ運びました。
※2対2の7回、奥野選手が勝ち越し打!うまくセンター前へ運びました。

◆JABA東北大会

 5月9日から宮城県で行われた『第53回JABA東北大会』。カナフレックスは初エントリーです。この大会には元阪神の守屋功輝投手が所属する日本製鉄鹿島も参加していました。守屋投手の話は次の機会に書かせていただきます。

 では3試合の結果をご紹介しましょう。

【5月9日 七十七銀行】

 大西投手が散発3安打に抑えて完封勝利。いい滑り出しですね。「安心して見ていられた」と福間監督もおっしゃっていました。

七十七銀行-カナフレックス

  (石巻市民球場)

 七十 000 000 000 = 0

 カナ 011 100 00X = 3

 ▼バッテリー

  [七十] 森-庭田-田辺 / 石井

  [カナ] 大西 / 房前

 ▼三塁打 七十:石井 カナ:守屋、古和田

 《試合経過》※敬称略

 2回に2死から白石が左前打を放ち、1番・守屋のタイムリー三塁打で先制!3回は5番・古和田の三塁打に続いて米倉選手が右前タイムリー。4回は四球と暴投などで2死一、三塁として3番・新宅が右前タイムリーの計3点。これを先発の大西が、散発3安打で守っての完封勝ち!

※3安打完封勝利を挙げた大西投手。これは4月28日に先発した時の写真です。
※3安打完封勝利を挙げた大西投手。これは4月28日に先発した時の写真です。

【5月10日 日本通運】

 2試合目の相手は、昨年の社会人野球日本選手権1回戦でコールド負けを喫した日本通運。その時に、ルーキーながら中継ぎ登板で最速147キロをマーク、1回2/3を0点に抑えた中島投手が先発です。

カナフレックス-日本通運

  (石巻市民球場)

 カナ 000 110 0 = 2

 日通 020 104 2x = 9

     ※7回コールド

 ▼バッテリー

  [カナ] 中島-日高 / 房前

  [日通] 川船-中田 / 木南

 ▼本塁打 カナ:森田ソロ(川船)

      日通:北川2ラン(中島)

 ▼三塁打 日通:添田

 ▼二塁打 カナ:古和田 日通:木南2

 《試合経過》※敬称略

 中島は2回に2点、4回に1点を失うも、打線が4回に古和田のタイムリー二塁打!5回には森田がソロホームラン!これで3対2と追い上げます。しかし6回、中島2点タイムリーと2ランで4点を失い、7回は日高が2失点。9対2となり、7回コールド負けでした。

 ちなみに、その日本通運がこの大会で優勝しています。

この日、福間監督がスタメン起用した森田皓介選手。それに応えてホームランを放ちました!写真は4月25日のもの。
この日、福間監督がスタメン起用した森田皓介選手。それに応えてホームランを放ちました!写真は4月25日のもの。

【5月11日 JR北海道硬式野球クラブ】

 決勝トーナメント進出の可能性は、ほぼなくなったものの2勝1敗で終わりたい3試合目。2度追いつきながら勝ち越せず延長戦へ。その10回にカナフレックスが白石雄大選手の犠飛でサヨナラ勝ちです。

JR北海道硬式野球クラブ-カナフレックス

  (仙台市民球場)

 JR北 400 010 000 0 = 5

 カナ 004 010 000 1x= 6

     ※延長10回

 ▼バッテリー

  [JR北] 立田-伊藤勝-伊藤宏‐内沢-大崎 / 南木

  [カナ] 東郷-大石-日高 / 藤田-房前

 ▼本塁打 JR北:松井3ラン(東郷)

 ▼二塁打 JR北:南木、大槻

      カナ:澤田、守屋、白石

 《試合経過》※敬称略

 1回に3ランなどで4点を失った東郷ですが、打線は3回にタイムリー4本(守屋、奥野、澤田、米倉)で追いつきます。5回に味方エラーで勝ち越された直後も、奥野のタイムリーで再び同点。そしてタイブレークの延長10回、バント失敗で1死一、二塁となるも、白石の中犠飛で澤田が還ってサヨナラ勝ち!

 福間監督は「ショートの白石を強襲したヒットで先制され、4対4に追いついたあとは白石のトンネルで勝ち越され、それで最後は白石の犠牲フライでサヨナラ勝ち。よくも悪くも、きょうは白石デーや」と笑っておられました。

 またタイブレークの10回表は、相手のバント失敗で二塁走者をアウトにしながらサードの送球エラーで二、三塁となった場面を、福間監督いわく「日高が根性で抑えた!」とのことです。

彼のエラーで始まり、彼のサヨナラ犠飛で終わった「白石デー」と福間監督。4月25日、ノックを受ける白石選手です。
彼のエラーで始まり、彼のサヨナラ犠飛で終わった「白石デー」と福間監督。4月25日、ノックを受ける白石選手です。

いざ都市対抗予選へ!

 2大会とも2勝1敗で終えたものの決勝トーナメント進出はならず、日本選手権出場は9月に行われる近畿地区最終予選に賭けることとなりましたが、得たものは多かったと思います。「少ない人数で大変。立派なもんやで。選手には感謝している」という福間監督でした。

 『第94回都市対抗野球大会』近畿地区2次予選は、きょう22日に開幕します。カナフレックスの初戦はきょう12時半から大阪シティ信用金庫スタジアムで、相手は日本製鉄広畑。過去の対戦は2019年と2022年の日本選手権最終予選であり、どちらもカナフレックスが勝っています。

 ちなみに“未勝利”の日本新薬とは、ともに1回戦を勝てば2回戦で当たる組み合わせ。5月5日のオープン戦も5対1で敗れたそうで、ミッションは残ったままですが、福間監督も「そろそろ勝つ」と言われましたし、やっぱり公式戦の借りは公式戦で返しましょう!

 <掲載写真の※印はチーム提供、他は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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