【花粉症の方必見】花粉の観測は人が顕微鏡で数をカウントする!最新の花粉観測機「ポールンロボ」とは
春に近づくにつれ、花粉症の方にとっては「いい季節だねぇ~」とはいえないでしょう。もはや現代病となっている花粉症は、2024年現在で2人に1人以上が患っています。
そのため、天気予報では「花粉飛散予報」が発表されるほどです。そこで花粉の飛散予報は、どうやって観測しているのか気になったので調べて見ました。
すると、なんと驚きの事実が判明!花粉の観測は人力にて、顕微鏡で花粉の数を数えていたのです。
既に花粉は本格シーズンに突入している!
ウェザーニュースが公開している情報では、上図のとおりほぼ全国が花粉の本格シーズンに突入しています。この図をみるだけで、鼻がムズムズしてしまうのではないでようか。
また、本格飛散予想ではスギ花粉の後にヒノキ花粉が本格化し、次のように本州から九州にかけて4月中旬まで花粉症に悩まされそうです。
日本気象協会では「ダーラム法」で、花粉の数をカウントしている
日本気象協会は気象庁の外郭団体の一つで、気象情報の提供や環境、防災などの調査を行う一般財団法人です。
そんな気象のプロフェッショナルでも、花粉の観測には「ダーラム法」を採用して、目視にてスギ花粉とヒノキ花粉を見分けながら確認しているようです。
ダーラム法の観測手順は次のとおりです。(上記の写真と照らし合わせると分かりやすいです。)
- ワセリンを塗ったスライドガラスを24時間、外(風通しが良く、雨のかからないところ)に置く(これにより、飛散している花粉がスライドガラスに付着)
- 上記のスライドガラスに染色液をかけてカバーガラスをかぶせる
- 顕微鏡でカバーガラス内にある花粉の数を目視でカウント
- 数えた花粉の数をカバーガラスの面積(3.24センチ平方メートル)で割り、1センチ平方メートルあたりの1日の花粉量として発表
と、このようにとてもアナログな手法で、花粉の飛散を予測しています。
花粉観測装置はこんな感じ
ダーラム法による花粉の観測装置はこんな感じです。ステンレスの丸い板で挟まれた所に、花粉を付着させるためのスライドガラスを固定しているだけのシンプルな装置。
スライドガラスに塗られたワセリンに、花粉が付着するのを待つ罠のような感じですね。
目視でスギ花粉とヒノキ花粉を見分けている
この画像が顕微鏡で見える花粉の状態ですが、素人ではスギ花粉なのかヒノキ花粉なのか分かりません。
しかも花粉の直径は30マイクロメートル(1ミリの約30分の1)と小さく、これを見分けながらカウントするなんて、やはりプロフェッショナルでないと無理でしょう。
スギ花粉の特徴は「とんがり」
因みに、スギ花粉の特徴は画像のような「とんがり」だそうです。といわれても、とんがりが上手く見えないこともあるようで、数え間違いを防ぐために判断に迷った場合は、モニターに出して複数の目で確認しているそうです。
メチャクチャ神経を使う仕事のようで、大変なのがよく分かります。
ウェザーニュースでは花粉観測機「ポールンロボ」を導入!
ウェザーニュースでは独自のIoT花粉観測機「ポールンロボ」を導入して、全国1,000カ所で花粉を監視しています。
観測方法は、顔に見立てた直径15cmの球体によって、口の部分から空気を吸い込み、空気中に含まれる花粉を観測します。
観測した花粉の量によって、目の部分にあるライトの色が5段階に変わるそうです。
- 白:0~29個
- 青:30~89個
- 黄:90~149個
- 赤:150~299個
- 紫:300個以上
花粉飛散数は1日の積算値となり、毎日0時に自動でリセットされます。これなら、ダーラム法のように人に頼ることなく簡単に観測が可能ですね。
Yahoo!天気・災害でも全国の花粉飛散予報を公開
この季節、花粉症の方にとっては天気と一緒に、花粉の量が多いのか気になりますよね。Yahoo!天気・災害では毎日花粉飛散予報を市町村レベルで公表しています。
例えば、東京都ならこんな感じで東京エリアの各地域の花粉量を確認できます。
また、tenki.jpやウェザーニュースからも花粉情報は公開されています。以下にリンクを紹介するので、好みに合わせて選んでみるとよいですよ。
今回は、どのように花粉の飛散を観測しているのか紹介しました。既にご存じの方もいるかも知れませんが、「まさか、そんな方法で観測していたとは!!」と驚いた方も多いのではないでしょうか?
チャットGPTなどAIの登場が話題になっている時代に、アナログ的な観測方法によって、花粉症の方の助けになっていることに驚きでした。