あなたの家にも必ずいるダニ、夏には爆発的に増える可能性 対策方法は？
みなさんの家の中には必ずと言っても過言ではなく「ダニ」が潜んでいます。小さくてほとんど見えないので、気にならない方も多いかもしれませんが、温度と湿度が上がるこの夏には爆発的に増えてしまうことがあります。今回はダニを増やさない方法をお教えします。
家の中にいるダニはどんなダニ？
家の中にいるのは、ヒョウヒダニ類（チリダニ類）というダニです。＜以下ヒョウヒダニと記します＞このダニは大きさ0.2～0.4ミリメートル、色も乳白色で肉眼ではなかなか見えません。気温25〜30度、湿度60〜80％の環境下で繁殖が加速します。エサは、私たち人間のフケやアカ、食べかすなどです。潜んでいる場所は、布団やカーペット、布製のソファ、畳、ぬいぐるみなどです。特にフケはダニにとって良い栄養源となるので、枕に多く潜んでいることが多いようです。
ダニを放置しておくとどうなる？
小さくて見えないダニだから、ほうっておいても大丈夫だと考えるかも知れません。でも、見えないけれど、私たちの健康をむしばんでいる危険性もあるのです。
刺される危険性がある
ヒョウヒダニは、人間を刺すことはありませんが、数が増えると、ヒョウヒダニを捕食する「ツメダニ類」が現れます。ツメダニの大きさは、0.3～0.5ミリメートル、これもまた肉眼ではなかなか見えないでしょう。ヒョウヒダニを食べてくれるのだから、良いダニと思うかもしれませんが、ツメダニの厄介なところは、人を刺してしまうことです。人を狙っているわけではなく、人の皮膚に触れることによって、偶発的に刺すと考えられています。夜間、布団の中で刺されることが多く、刺されると痒みと紅斑を伴う皮膚炎が起こります。刺されやすい部位は、太ももやお腹周り、二の腕が多いので、この辺りを刺されているとツメダニの可能性があり、ヒョウヒダニがたくさん繁殖している状況かも知れません。
アレルギーになることも
ヒョウヒダニは人を刺しませんが、生きたダニだけではなく、死骸やフンもアレルゲンとなり、アレルギー性の鼻炎や皮膚炎、気管支ぜんそくの原因になることがあります。アレルギー性ぜん息やアトピーの症状を持つ方の7～8割はダニ・ハウスダストが原因と言われています。（※）
ダニへの対処法
上記のように肌を刺されたり、アレルギーの原因となったりするダニですが、家の中にダニが1匹もいない状況を作るのはとても難しいことです。ダニの数を少なくすること、弱らせることを考えて対処していきましょう。
ダニのエサを減らすこと
まず、第一に、ヒョウヒダニのエサであるフケやアカ、食べかすなどをなくすことが重要なので、小まめに掃除することが最も大切です。また、ダニは高湿度を好みます。家の中に湿気が溜まらないように、換気を十分に行い、風通しを良くすることも必要です。
布団類は高温処理
布団類にはダニのエサであるフケやアカは多いので、ダニが潜んでいることが多いでしょう。布団の表面に掃除機をかけてもダニは奥へ逃げて行ってしまいます。ダニは高温に弱く、60度の熱では一瞬で、50度の熱では30分で死滅します。布団のダニを退治するのには、この温度が必要です。天気の良い日に外に干している方も多いでしょうが、布団表面の温度は高くなっても、ダニは暑さを嫌って温度が低い内側へと逃げてしまうため死滅させることはなかなか難しいのです。布団のダニ退治には、家庭用の布団乾燥機やコインランドリーが有効です。布団乾燥機の取扱説明書に沿って、ダニ退治のモードで運転するとダニの駆除ができます。その後、ダニの死骸を掃除機で吸い込むことを忘れずに行ってください。
洗濯できるものは1週間に1回洗濯
シーツ、カバー、衣類、毛布やタオルケットについたダニの死骸やフンは洗濯機でほぼ洗い流せます。ダニが卵から幼虫になるのに約1週間かかり、幼虫になるとアレルギーの原因となるフンをします。1週間に1回洗っていれば、理論的にはゼロとなります。シーツや枕カバーは1週間に1回洗うことをお勧めします。
洗濯できないものは駆除後に掃除機を
カーペットや布製ソファなど洗濯できないものにダニが潜んでいる場合、ダニの死骸は掃除機で吸い込めますが、生きているダニは吸い込めません。カーペットや布製のソファ等は、「ダニ駆除用スプレー」などで処理した後、死骸を掃除機で吸うようにしてください。表面だけでなく、カーペットの下でダニが増えていることもあるので、裏面や床面にもスプレーで処理をして掃除機がけを行いましょう。
薬剤を使いたくないときは捕獲シートで
子どもの布団やぬいぐるみなど、薬剤を使いたくない場所には、天然成分の「ダニをよけるスプレー」や、「ダニを捕獲して退治するシート」、天然由来成分で置くだけで「ダニを寄せつけない」商品もあるので、こちらがお勧めです。
ダニが気になるお部屋にはスプレー剤や置き型タイプで
いろいろなお部屋でダニが気になる場合は、1プッシュするだけでダニを寄せつけず、ダニのいない空間を作れる商品があります。寝室やクローゼット、押し入れなどに1プッシュスプレーしておくだけで、ダニをシャットアウトしてくれます。また、マイクロ粒子が部屋の隅々まで広がり効き目が長続きするダニを予防できる置き型タイプの器具も発売されています。
粉類の保存は冷蔵庫に
ヒョウヒダニはタンパク質やうま味成分を好んで摂食するので、パンケーキの素（牛乳や卵）やお好み焼き粉（鰹やエビ）を好み、一度開封したチャック袋に入り込み繁殖します。繁殖しても、小さすぎて一見わからないので、そのまま調理して食べると、ダニアレルギーの方は、アナフィラキシーを起こすことがあります。加熱すればダニは死滅しますが、一度に大量のアレルゲンが体内に入ることに変わりはありません。このような危険を防ぐためには、一度開封した粉類は、冷蔵庫へ保管しましょう。低温ではダニは繁殖できません。
最後に…
家の中には少なからずダニは生息しています。ダニは家にはいるものと思って対処するのが大事です。家の中からダニをすべてなくすことはほぼ不可能ですが、繁殖を抑えたり、弱らせたりすることはできます。家の中の風通しを良くして湿度を下げ、ダニのエサとなるフケや食べかすなどをこまめに掃除することなど日々の習慣で、ダニの住みにくい環境を作りましょう。ダニに刺されることのない快適な夏を過ごすためにお勧めします。
