【震度8は存在しない!】震度は10段階だけど、震度7が最大の地震!
以前、防災の講演を行なった際に「震度10の地震が起きたら、全員死亡でしょう!だから、地震の際の対策なんて意味が無いんだよ!!」と、強く言われたことがあります。
会場ではあきれ顔の方が多く、中には苦笑いをしている方もいました。実は、震度は10段階あることを「震度10がある」と思われたようです。
後になって、本当に震度10はあり得ないのか?と、疑問に感じたのは事実です。
そこで、現在では最大震度と言われている「震度7」の状況を、確認しておきましょう。
現在では気象庁が定める10段階が震度の階級となる
震度の階級は、気象庁が決定しています。現在では、「震度0」から始まり「震度1」⇒「震度2」⇒「震度3」となり、ここまでの揺れは驚く方が少ないとされています。
そして「震度4」⇒「震度5弱」⇒「震度5強」⇒「震度6弱」⇒「震度6強」⇒「震度7」の10段階の階級があり、最大の震度は「震度7」で止まっています。
どうして震度7までしかないの?
現在、震度7までしかない理由としては、震度7の揺れには上限がないからです。
気象庁によると、最大級の被害をもたらすのは震度7であり、それ以上の震度を発表することに意味はないとしています。
つまり、現段階ではどんなに強い揺れが起きても、震度7になると言う訳です。
震度0って・・地震なの?
地震の震度には「震度0」があり、気象庁の説明では「人は揺れを感じない地震で、地震計には記録される揺れ」と定義されています。
そこで、震度0と呼ばれる地震がどのくらい起きているのか、調査してみましたが回数などは分かりませんでした。
気象庁が公開している「震度データベース検索」でも、震度1からの検索しかできないので、どのくらいの頻度で起きているのかは知る由がありません。
そのため「人知れず起きている地震」としておきましょう。
震度5と6には「強・弱」があるのはなぜ?
1996年4月までは、気象庁による震度は体感を基準にしていて、以下の7段階でした。
震度0=「無感」、震度1=「微震」、震度2=「軽震」、震度3=「弱震」、震度4=「中震」、震度5=「強震」、震度6=「烈震」、震度7=「激震」
ところが、1955年1月17日に起きた「阪神淡路大震災」の被害調査で、震度5や震度6でも被害の内容が異なっていたために、次のように階級を変更したのです。
- 震度4.5以上5.0未満:震度5弱
- 震度5.0以上5.5未満:震度5強
- 震度5.5以上6.0未満:震度6弱
- 震度6.0以上6.5未満:震度6強
そして、1996年4月1日から「体感」でなく「震度計の震度」による、10段階の震度階級が使われるようになりました。
震度7の気象庁の定義は?
では、震度7の地震が起きるとどのようになるのか、気象庁が公表している状況を確認してみましょう。
・耐震性の低い木造建物は、傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。
・耐震性の高い木造建物でも、まれに傾くことがある。
・耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では、倒れるものが多くなる。
つまり、耐震性の弱い建物は、壊れてしまうほどの非常に強い揺れであることを示しています。
実際に筆者も、防災士の講習時に地震体験車にて、2回ほど震度7の揺れを体験しましたが、固定されたものにしがみついていないと、車から振り落されるくらいの勢いで上下に揺れます。
心臓の弱い人は利用できないほど、強く怖い揺れだったのを覚えています。
これまでの震度7の地震は?
1995年の阪神淡路大震災以降に起きた、震度7を記録した地震はこれまで7回発生しています。
- 1995年01月17日 05時46分頃 阪神・淡路大震災
- 2004年10月23日 17時56分頃 新潟県中越大震災
- 2011年03月11日 14時46分頃 東日本大震災
- 2016年04月14日 21時26分頃 平成28年(2016年)熊本地震
- 2016年04月16日 01時25分頃 平成28年(2016年)熊本地震
- 2018年09月06日 03時07分頃 平成30年北海道胆振東部地震
- 2024年01月01月 16時10分頃 能登半島地震
いずれも、地震が起きた地域では甚大な被害となっており、家屋の倒壊やブロック塀の倒壊、そして人命も失われています。
震度7の地震が起きると、人命を失うほどの大災害が発生することが、過去の地震で証明されています。
震度8の揺れが発生することはない?
前述したとおり現在の気象庁では、どんなに強い揺れが起きても震度7と発表されます。そのため、震度階級が改正されない限り、震度8や震度9・10の表現はされないでしょう。
ただし、今後どのようになるのかは誰にも分かりません。ただ言えることは、震度7の地震が起きれば壊滅的な大災害が発生するということです。
南海トラフ地震や首都直下型地震の発生が近いとされているため、普段からの備蓄など、防災対策をしっかり行っておきましょう。