「老害」か? と言われかねない50代上司の特徴4選
ビジネスシーンにおいても「老害」という言葉が使われるようになった。主に50代、60代のベテラン社員に向かって使われる。ある意味差別的な表現だ。
※昨今使われるようになった「ソフト老害」という言葉は、30~40代の上司や先輩社員に向けられた言葉。
実際に言葉に出されなくても、若手社員から「老害」と揶揄されるようにならないためには、どうしたらいいか? 「老害」と呼ばれかねない50代上司の特徴を4つに絞り、簡単に解説していこう。
最初に釘を刺しておく。「話が長い」「同じことを何度も繰り返す」といった特徴も老害だ、とする意見、記事を目にするが、これらは除いた。これぐらいの特徴で「老害」と表現すると、本質を見誤るからだ。ポイントは、理不尽さ、不誠実さである。
■(1)上から目線で自分の意見を押し付ける
上から目線で自分の意見を押し付けることは、まさに理不尽と言える。こういった特徴を持つ人は、過去の成功経験を過信し、それを絶対視してしまう傾向にある。確証バイアスにかかっているベテラン社員は、この部類に入る。
(※確証バイアス:自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしなかったりする思考の偏り)
部下や若手社員の意見に耳を傾けず、自らの考えを一方的に通そうとする。この姿勢は、チーム内の空気を硬直させ、心理的安全性を著しく低くするだろう。
■(2)過去のやり方こそが正しいと思い込んでいる
「強いものが生き残るのではない。変化に対応できるものが生き残る」
昔から言われていることだ。
にもかかわらず、いつまで経っても環境の変化や新しい技術を受け入れない人がいる。過去の成功体験に固執し、それが現代でも同様に役立つと信じて疑わない。まさに「現状維持バイアス」にかかっているベテラン社員だ。何でもかんでも新しくすればいいわけではないが、松尾芭蕉の俳諧理念のひとつ「不易流行」を正しく意識すべきである。
■(3)自分の非を認めない
自分の非を認めない、間違いを訂正しない姿勢は、不誠実極まりない。まさに部下や後輩に対して「示しがつかない」態度である。間に挟まれる30代、40代社員は手を焼くことだろう。
間違いを認めることを弱さと捉え、それを避けることで地位やプライドを守ろうとする。このような行動を続けていると、多くの人から信頼されなくなるだろう。
■(4)年寄扱いされると怒る
年齢を重ねることに対する感受性は個人差がある。そのなかで年齢を理由に特別扱いされること、特に能力面で疑問視されることに敏感な人がいる。これは自分の能力への自信と、若手社員との競争におけるプレッシャーの表れであろう。
決して卑下する必要はない。しかし正しい自己分析は必要だ。年齢など関係なく、必要な能力、意識が足りないのなら謙虚に受け止めて改善する姿勢を示すべきだろう。
現代は競争ではなく「共創」の時代だ。これら4つの特徴に少しでも当てはまると受け止めた50代上司たちは、正しく自己認識をしよう。そしてプライドを捨てて、若者たちと協力的な関係を築くことだ。
「私が部下を育ててやる」
という上から目線ではなく、
「一緒に育っていこう」
と謙虚になること。それができないと「老害」などと思われるかもしれないのだから。
<参考記事>