新型iPad Pro キャリア版は50万円超のモデルも。eSIMやペンシル対応に注意
5月7日にアップルが発表した新型iPad Proは、「M4」プロセッサーの搭載や本体を5ミリ強にまで薄型化するなど、大幅刷新が話題となっています。
ただ、仕様にはこれまでにない変更も加わっています。購入にあたって注意すべき点を見ていきましょう。
セルラー版はeSIMのみ アクセサリーも一新
新型iPad Proは、2022年発売のM2搭載モデル以来のアップデートとなり、M3を飛ばして今回新たに発表した「M4」を搭載しています。
発表イベントでは、M4は「最大4つ」の高性能コアを搭載すると語られていました。コア数とメモリー容量は、iPad Proのストレージ容量によって2種類に分かれるようです。
256GB/512GBモデルでは9コア(高性能3コア、高効率6コア)で8GB RAM、1TB/2TBモデルでは10コア(高性能4コア、高効率6コア)で16GB RAMとなっています。
とにかく最高性能が必要な人はストレージ容量の大きいモデルを選んでおけば間違いなさそうですが、iPadOS 16からは「仮想メモリスワップ」によりメモリーが不足した場合でもストレージを併用して対処できることから、多くの用途では使い勝手に大きな差は出ない印象です。
次に気をつけたいのは、セルラーモデルにおいてSIMの対応が「eSIM」のみになり、物理的なSIMカードは使えなくなっている点です。
eSIMのみという仕様は米国向けのiPhone 14から採用されているものの、M4搭載iPad Pro(同時発表されたM2搭載iPad Airも同様)からは、いよいよ日本を含む世界各国に展開されることになります。
国内の主要な通信事業者はeSIMに対応しているとはいえ、さまざまな事情から物理SIMを使い続けている人は少なくないでしょう。スマホのテザリングやモバイルWi-Fiルーターを利用しつつ、iPad本体はWi-Fi版を購入するというのも1つの手といえます。
アクセサリーの買い直しも必要になりそうです。M4搭載iPad Pro用の新しいMagic Keyboardは、米国では11インチ用が299ドル、13インチ用が349ドル(税抜価格)であるのに対し、日本ではそれぞれ4万9800円、5万9800円(税込価格)と値上がりしています。
ペンシルとしては新たにApple Pencil Proが登場し、これまでの第2世代のペンシルとは互換性がなくなりました。ペアリングと充電の仕組みも一新したとアップルは説明しています。
理由としては、M4搭載iPad Proではインカメラの位置が変わったことで、ペアリングと充電の仕組みも変更せざるを得なかった可能性が指摘されています。なお、ペアリングと充電にUSBポートを用いるUSB-C版のペンシルには問題なく対応しています。
これまでiPad Proを使っていた人の場合、キーボードやペンシルの買い替えが必要になる場合が多く、それぞれ安いものではないことから、予算オーバーにならないよう注意が必要です。
純正品の価格が上がるのは悩ましいところですが、サードパーティにとってはさまざまな製品を作りやすくなるとも考えられることから、対応製品の広がりを期待したいところです。
価格帯はMacBook Proと同等
発表前に注目を集めた円安の影響については、日本と米国での税抜価格を単純に比べた場合の為替レートは1ドル=150円台になることから、おおむね妥当な設定といえます。
ほとんどのモデルが20万円を超えており、キーボードやペンシルをあわせて購入するとなれば30万円台が中心的な価格帯になりそうです。価格帯としてはMacBook Proに並んだといえるでしょう。
アップルの発表後、ソフトバンク、au、NTTドコモの順番でキャリア版の価格を発表しています。その中でもソフトバンクとauでは、13インチiPad Proの最も高いモデルの本体価格が税込で50万円を超える事態になっています。
■ソフトバンク
・13インチiPad Pro(M4) 2TB 53万3520円
・13インチiPad Pro(M4) 2TB(Nano-textureガラス) 55万3680円
■au
・13インチiPad Pro(M4) 2TB(Nano-textureガラス) 50万9600円
クリエイターやプロフェッショナル向けとなるiPad Proの中でも、さらに特殊な構成のモデルではあるものの、iPad製品として単体で50万円を超えるというのはなかなか感慨深いものがあります。
一方、各キャリアは一定期間で本体を返却することなどを条件とする購入プログラムを提供しています。使い方次第では安価に利用できる可能性があり、買い方の選択肢の1つになりそうです。