定期券購入時の窓口での行列が解消へ モバイルSuica・PASMOで中高生の通学定期券購入が可能に
春になると、駅の窓口に行列ができるのを見る人も多いだろう。学生の通学定期券購入である。
各鉄道事業者では、駅の窓口が減り、窓口のある駅に購入者が殺到する事態となっている。
とくに中高生の通学定期券は、通学証明書を見せないといけないため、どうしても駅の窓口に行く必要がある。
通勤用の定期券は、近年では自動券売機で購入できるようになったため、駅の窓口に並ぶ人は少なくなった。しかし、春になると学生による通学定期券購入の行列ができる状況は変わりがなかった。
その状況がいよいよ変わる。
モバイルSuica・モバイルPASMOで、中高生用の通学定期券が買えるようになるのだ。
3月18日より取り扱い開始
3月18日には、JRなどでダイヤ改正がある。運賃の値上げを行う事業者も多い。その日に合わせて、モバイルSuica・モバイルPASMOで中高生用の通学定期券が購入できるようになる。
これにより、窓口で通学証明書などを見せることなく、かんたんに通学定期券を買うことができる。
すでに大学生用の通学定期券では、モバイル端末に対応していたが、これが中高生向けに拡大されるのだ。
モバイルSuica・モバイルPASMOで新規の通学定期券を買う際には、スマートフォンのアプリで定期券を予約申し込みし、区間や経路を入力した後、スマートフォンのカメラで撮影した学生証や通学証明書などをアップロードする。しばらくするとサポートセンターから「予約完了」メールが届き、アプリから購入が可能だ。
その際に厄介なのは、支払いである。通勤客や大学生の場合は、クレジットカードを持っていることが多い。しかし、高校生以下はクレジットカードを持てない。
どうやって中高生の通学定期券をカード決済するのか?
代理決済やプリペイドカードも可能に
モバイルSuicaで中高生の通学定期券を購入する場合には、保護者などのクレジットカードで購入できる。クレジットカードで購入する以外にも、保護者による代理決済による「ワンタイムクレカ決済」も可能となる。この方法は入力したカード情報をアプリ上に保持しない。
モバイルPASMOでは、保護者のクレジットカードを使用する以外にも、「ソフトバンクカード」「dカード プリペイド」「Visa LINE Payプリペイドカード」などの中高生でも使用できるプリペイドカードや、「SMBCデビット」といったデビットカードでも支払いができる。
おそらく、銀行などのVisaデビットカードでも支払いは可能だろう(これはモバイルSuicaでも同様)。
とくに「Visa LINE Payプリペイドカード」は、スマートフォンがあればすぐに使用することができ、銀行口座やセブン銀行ATM、ファミリーマートのマルチコピー機からチャージすることができるため、比較的アクセスがかんたんなキャッシュレス決済の方法である。
何が解決するのか?
ふだんは混雑していない駅窓口も、3月から4月にかけては大きく混雑する。とくに都市部の私鉄では窓口が減り、JRもすでに窓口を減らすようになってきている。そんな中で、定期券発行が可能な窓口の混雑が問題となっているが、これが解消される。
また、通学定期券購入に親が付き添ったり、あるいは購入のために子どもに比較的大きなお金を持たせたりしなくてもよくなる。
社会人や大学生の通勤定期券が当たり前に券売機やモバイルで購入できるようになり、窓口を減らすことも可能になっていたが、時期によっては中高生らの長蛇の列が課題となっていた。この春、この課題は解決される。