「ゴチになります」の舞台にもなったイタリア料理店で食べられる特別な料理とは?
日本で人気のイタリア料理
日本で最も人気がある外国料理のひとつとして、イタリア料理が挙げられます。どのような料理が思い浮かぶかと訊けば、パスタやピッツァがすぐに挙げられるでしょう。しかし、郷土料理といわれると、なかなか思い浮かばないかもしれません。
イタリアは南北に伸びているので、気候や地形がそれぞれに特徴があり、非常に豊かな食文化が形成されています。北部では、伝統的にバターやクリームが料理のベースとなっており、煮込み料理が多いです。中部から南部にかけてはオリーブが栽培されているので、オリーブオイルがベースとなっており、トマトもよく用いられます。
各地の料理を列挙すれば、ヴァッレ・ダオスタ州はチーズフォンデュ、ピエモンテ州はバーニャカウダ、ロンバルディア州はカツレツ、ヴェネト州はティラミス、エミリア ロマーニャ州はラザニア、トスカーナ州はタリアータ、ラツィオ州はカルボナーラ、バジリカータ州はサルシッチャと、バラエティに富んでいます。
イタリア各州の料理を体験できる
イタリアは多くの魅力的な郷土料理を有していますが、それを体験できる機会はあまり多くありません。しかし、実は各州の料理を体験できるレストランがあります。それは、フォーシーズンズホテル東京大手町の「ピニェート(PIGNETO)」。
2021年4月から「イタリアを旅するリージョナルメニュー」として、毎月イタリアのひとつの州をテーマにし、その土地ならではの料理を提供しているのです。
2021年
4月 ヴェネト州
5月 リヴリア州
6月 シチリア州
7月 カンパニア州
8月 ラツィオ州
9月 トスカーナ州
10月 エミリア ロマーニャ州
11月 ピエモンテ州
12月 ロンバルディア州
「ピニェート」は2021年7月1日放映の日本テレビ「ぐるぐるナインティナイン」の「ゴチになります」の舞台にもなり、大きな話題となったラグジュアリーホテルのダイニング。
イタリアの各地で経験を積んだ木川欣宏氏が料理長を、ナポリ出身のアレッサンドロ・ルカ・デ・レオ氏がスペシャリティ ピッツァ シェフを務めます。
月替りでイタリアの各州を巡っていますが、この7月に対象となっているのがイタリア南部のカンパニア州。木川氏が紡ぎ出すカンパニア州の料理を存分に堪能できるのが「カンパニア州をテーマにした6品コース」(13,000円、税・サ込)です。
コースで提供されるメニューについて詳しく紹介していきましょう。
青のりのゼッポリーニと雲丹
イタリアでポピュラーな揚げパンであるゼッポリーニをピンチョス風に、モダンに仕上げました。ウニのクリームをつけて、磯の風味が豊かです。
水牛モッツァレラ 白桃コンポートとトマト
カンパニア州の特産物である水牛モッツァレラは大きなポーション。白桃の甘味とみずみずしさ、トマトの軽い酸味、セルバチコというルッコラの一種である野菜の苦味がよいハーモニーを構成しています。
子牛と玉ねぎのミートソース パッケリ
パッケリはカンパニア州の名物である太い筒状のパスタ。子牛とタマネギの旨味を讃えたソースは、噛み応えのあるパスタと相性が抜群です。
ちなみに、カンパニア州ではミートソースはジェノヴェーゼと呼ばれているので、実際に旅行する際には注意が必要。こういった食文化の話も「ピニェート」だからこそ聞ける話です。
アクアパッツァ
アクアパッツァもカンパニア州の有名料理。大きな有頭海老、白身魚、アサリといった海の幸に、オリーブの味わいが合わせられています。滋味が感じられる軽やかな仕上がりです。
仔羊のロースト ズッキーニとペペロナータ リモンチェッロソース
仔羊をじっくりローストしてやわらかに。付け合せのズッキーニとペペロナータの甘味が仔羊の香りと合います。カンパニア州で有名なリモンチェッロで酸味と香りをつけているのが特徴的。
ババ ラムシロップ ライムシャンティクリーム
ババはカンパニア州で有名なデザートです。ラムシロップに浸された生地に、爽やかなライム風味の生クリームといったコンビネーション。
州の食文化に忠実
「イタリアを旅するリージョナルメニュー」ではイタリア各州の名物を体験できるのが本当に素晴らしいです。
カンパニア州では、水牛のモッツァレラチーズ、オリーブオイル、トマト、アクアパッツア、ババ、リモンチェッロが有名ですが、このどれもがしっかりとコースに取り入れられているのは、イタリア各地を知り尽くした木川氏ならでは。
毎月訪れたなら、それだけでほぼイタリア全土の食文化を学ぶことができるでしょう。
コースだけではなく、ワインもピッツァもある
州にちなんだワインとピッツァが用意されているのも素晴らしいです。
今回であれば、白ワインは「フィアーノ ディアヴェッリーノ フェウディ ディ サングレゴリオ」(グラス 2,277円、税込・サ別)、赤ワインは「タウラージ “エッチェレンツェ” フェウディ ディ サングレゴリオ」(グラス 3,036円、税込・サ別)と、カンパニア州で名高いワインが用意されていました。
コース料理では少しボリュームが多いということであれば、ワインやピッツァを気軽にオーダーするのもオススメです。
様々なスタイルでイタリア料理を楽しめるレストラン
「ピニェート」は39階という高層階に位置していますが、テラスが設けられているのも特長。夏の間にだけオープンしており、ビールのフリーフローとピッツァ、クロスティーニがセットになった「ビール&ピッツァ」プランも提供されています(緊急事態宣言中はアルコールの提供はなし)。
コース料理で美食を体験できたり、気軽にアラカルトをオーダーできたり、開放的なテラスでお得なセットを楽しめたりするなど、「ピニェート」は様々な用途で利用できるグルメスポットです。
これに各州の料理を味わえる機会も加わり、ますますイタリア料理の魅力を知ることができるレストランになったといえるでしょう。