水道管塗装に「指定外原料」使用。水の安全は守られるか
日本水道協会品質認証センターは、1月11日、水道管の一部に「指定外原料」が使用されていると公表した。
「神東塗料(株)の不適切行為による日本水道協会品質認証の取得事案について」(公益社団法人日本水道協会HP 2022年1月12日9:00最終閲覧)
同センターは、水道に関する製品について、厚生労働省が定める基準に適合しているかを評価する。 申請のあった製品を評価し、基準に適合している製品を認証登録する。
問題が発生したのは、ダクタイル管、バルブ、接合部品などの「塗装部分」。塗料の開発・製造・販売を手掛ける神東塗料株式会社(高沢聡代表取締役)が使用する「合成樹脂塗料」について、同社より、①「規格認証外の原料を使用したこと」、②「不正な条件で得られた試験結果で認証を取得したこと」の2点が報告された。
当該製品の安全性は、現在調査中だが、影響は大きい。
ダクタイル管は強靭性に富み、衝撃に強い、伸縮性があるため地震に強いなどの特長をもつため、日本全国の上水道管、下水道管に用いられている。
不具合事象が特定され、製品の安全性が確認されるまで出荷停止(すでに出荷されたものについては日本水道協会品質認証センターが使用しないことを呼びかけている)となるから、その間に該当製品を使用する予定だった水道管工事はすべてストップする。
また、安全性に問題があった場合、すでに敷設された水道管をどうするかという問題点も残るだろう。
水道は生活になくてはならない。市民生活への影響は大きい。迅速な調査と情報公開が必要だ。
また今回の件に限らず、安易に規格認証外の原料を使用したり、不正な条件で得られた試験結果で認証を取得するなど、水道に関わる企業の倫理感が問われている。業界全体で再発防止につとめるべきだ。