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都心マンションで「キャンセル住戸」が4割高く再販される奇妙な現象が発生。なぜ?

櫻井幸雄住宅評論家
価格が上昇しても売れ行き好調な都心マンション。そのおかげで……(写真:イメージマート)

 東京都内中心部で分譲される新築マンションの価格が上がり始めたのは2013年から。2015年からは高くなりすぎの判定から暴落論が出始め、2017年初頭には、「暴落は秒読み」と予測する経済誌も登場。しかし、5年経った2022年に至るまで新築マンション価格は上がり続けたのはご存じの通り。が、その間も、「まもなく暴落」の記事は出続けている。

 それは、「マンション暴落」のタイトルをつけると読者が増えるからで、発信者も本気で暴落を信じているわけではないはず。少なくとも、マンション販売の現場を知っている人間ならば、2017年以降も、そして東京五輪後も上がり続けることは実感できていた。

 ただし、以下の現象まで予想できる人はいなかっただろう。

 その現象とは、都心マンションでキャンセル住戸が出たとき、値段を上げて売るケースが続出していることだ。

 キャンセル住戸は2割、3割高くして再販。なかには4割高くなるものも……そんな現象が出ているのだ。

 その理由を、販売現場から聞こえてくるリアルな声とともにレポートしたい。

キャンセル住戸は安くなるのが普通だったが……

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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