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24歳の左腕が挙げている白星は、チーム全体の3分の1以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
ギャレット・クローシェイ(シカゴ・ホワイトソックス)Jun 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ギャレット・クローシェイ(シカゴ・ホワイトソックス)が挙げている白星は、チーム全体の白星の3分の1以上、37.5%を占める。

 クローシェイは、先発14登板で防御率3.33を記録している。勝ち運にも、恵まれているのかもしれない。ただ、37.5%の最大の理由は、ホワイトソックスの白星の少なさにある。ここまでの64試合のうち、ホワイトソックスは、4分の1の16試合しか勝っていない。クローシェイは6勝なので、16勝中6勝=37.5%となる。

 例えば、ロサンゼルス・ドジャースでは、タイラー・グラスナウ山本由伸ギャビン・ストーンがいずれも6勝を挙げているが、ドジャースの40勝に対し、彼らの白星が占める割合は15.0%ずつだ。3人のうち2人の白星を合わせても、クローシェイの割合には届かない。

 自身の白星がチームの白星の4分の1以上を占めているのは、クローシェイの他に1人、チームの30勝中8勝のミッチ・ケラー(ピッツバーグ・パイレーツ)しかいない。ケラーの割合は26.7%――防御率は3.16――だ。クローシェイの割合は、ケラーよりも10%以上も高い。

 クローシェイは、24歳の左投手だ。来月下旬に25歳の誕生日を迎える。今シーズンの103奪三振はア・リーグで最も多く、ナ・リーグを含めても、上にいるのは104奪三振のグラスナウだけだ。奪三振率12.25は、リーグを問わず、チームの試合数×1.0イニング以上の76人中トップ。奪三振率12.00以上は他におらず、与四球率も2.02と優れている。

 FAになるのは2026年のオフだが、この夏、クローシェイは、ホワイトソックスから移籍する可能性もある。そうなると、シーズンが終わった時、ホワイトソックスの白星に占めるクローシェイの白星の割合は、グッと下がっているだろう。トレードの噂については、こちらで書いた。

「パドレスは同じチームから2人目の先発投手を獲得するのか。ダルビッシュとマスグローブが離脱中」

 なお、自身の黒星がチームの黒星に占める割合は、ロス・ストリップリング(オークランド・アスレティックス)の23.1%が最も高い。アスレティックスが39敗、ストリップリングは両リーグ最多の9敗だ。

 ストリップリングの場合、アスレティックスが強くないことも理由の一つだが、防御率は5.82と芳しくない。今のところ、次の登板がいつになるのかは不明だ。ストリップリングは、右肘を痛め、先月下旬から故障者リストに入っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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