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パドレスは同じチームから2人目の先発投手を獲得するのか。ダルビッシュとマスグローブが離脱中

宇根夏樹ベースボール・ライター
ギャレット・クローシェイ(シカゴ・ホワイトソックス)Jun 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスは、2人の先発投手を欠いている。今月1日、ダルビッシュ有ジョー・マスグローブは、それぞれ、5月30日と29日に遡り、故障者リストに入った。

 痛めたのは、ダルビッシュが左の股関節、マスグローブは右の肘だ。2人とも、故障者リスト入りは、今シーズン2度目。マスグローブは、肘ということに加え、前回も同じ箇所だった。このまま、長期離脱となりかねない。

 パドレスは、地区首位のロサンゼルス・ドジャースに差をつけられているものの、現時点では、ワイルドカードをゲットし、ポストシーズンに進出できる位置にいる。

 ESPNのジェフ・パッサンは、6月4日に、ホワイトソックスはルイス・ロバートJr.ギャレット・クローシェイを放出する可能性がある、と報じた。ロバートJr.は外野手、クローシェイは先発投手だ。ジ・アスレティックのデニス・リンとケン・ローゼンタールは、その翌日の記事で、パドレスはクローシェイに強い興味、と書いている。

 トレード・デッドラインまでに、クローシェイがホワイトソックスからパドレスへ移れば、パドレスは半年の間にホワイトソックスから2人の先発投手を獲得、ということになる。現在、パドレスで投げているディラン・シースは、3月中旬のトレードで移籍するまで、ホワイトソックスにいた。

 MLB.comのスコット・マーキンによると、ホワイトソックスのペドロ・グリフォール監督は、1月下旬に地元のボーイズ&ガールズ・クラブのイベントに参加し、そこで、開幕投手にシースの名前を挙げたという。シースの移籍により、開幕戦の先発マウンドには、クローシェイが上がった。

 シースもクローシェイも、三振を奪うことができる。今シーズン(6月4日時点)の奪三振率は、シースが11.03、クローシェイは12.01だ。パドレスの編成責任者であるA.J.プレラーが、シースに続き、クローシェイを欲しがっても不思議ではない。

 ただ、クローシェイのパドレス移籍が実現するかどうかは、まだわからない。パドレス以外にも、クローシェイを手に入れようとする球団はあるだろう。また、シースがFAになるのは2025年のオフ、クローシェイは2026年のオフだ。保有できる期間が長い分、ホワイトソックスが求める見返りは大きくなる。シースを獲得する際に、パドレスはドルー・ソープら4人を手放した。ホワイトソックスが欲しがり、パドレスが手放してもいいと考える選手は、あまり残っていない可能性もある。

 ちなみに、シースのトレードの前に、両チームの間で、ローテーションに入っていた先発投手が動いたトレードは、2件とも、方向が逆だった。2009年7月にジェイク・ピービー、2016年6月はジェームズ・シールズが、ともにパドレスからホワイトソックスへ移籍した。

 シールズのトレードは、プレラーがパドレスのGMに就任した後だ(現在は、編成責任者&GM)。パドレスは、シールズと交換に、フェルナンド・タティースJr.と他1人を手に入れた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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