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日本で169回の地震が発生!4月の地震発生率を比較|やはりプレート付近は地震が多い

栗栖成之防災士ライター
気象庁 震源・震度情報

4月17日の深夜に豊後水道で発生した地震は、またまた全国に驚きを与えました。

内閣府からの公表では幸いにも死者はゼロでしたが、大きな揺れに見舞われた地域では、家屋や商品の破損など多数の被害が出ています。

南海トラフ地震への影響は少ないとされていますが、今年は元旦から地震発生が多く「いつもより地震が多いから、南海トラフ巨大地震の前触れでは?」と考えてしまいます。

そこで、2024年の4月は特別に地震が多いのか、過去の地震発生率と比較してみました。

4月20日まで169回の地震!プレート付近で多く発生している

気象庁震度データベースを加工
気象庁震度データベースを加工

これは、気象庁の震度データベースにて、4月1日~18日までの地震の震源を表した地図です。

震度データベースでは18日までの震度1以上の地震は152回(調査日の2日前までの情報しか得られないため)、Yahoo!天気・災害の地震履歴から、19日~20日8:00までの地震回数17回を確認し、20日までの地震発生回数は169回を記録したことが分かりました。

プレート付近でやはり多く地震が発生している

地図上のプレート部分を強調してみたので、この地図をみればプレート付近で地震が多く発生していることが分かります。

例えば、伊豆・小笠原海溝付近にある父島は東京都に属する村で、人口は2,055人(令和4年3月31日時点)です。この島で地震災害が起きると、迅速な救助や救援は難しいかも知れません。

海溝型地震だけでなく内陸部での地震も発生している

気象庁震度データベースを加工
気象庁震度データベースを加工

先の震度データベースの地図を拡大してみると、能登半島をはじめとする内陸部でも地震は多く発生しています。

元旦の能登半島地震の余震と見られる地震は26回も起きており、長野県では北部、南部など各地域で地震が起きています。

この発生場所から地震はプレート付近でなくても、どの地域でも起きる自然現象であると改めて思い知らされます。

2024年4月169回の地震は過去12年間でも多くない!

令和4年12月 地震・火山月報を加工
令和4年12月 地震・火山月報を加工

2013年から過去12年間の4月に発生した、地震回数を調査してみました。すると、ご覧のように今年の4月が特別多い訳ではありません。

2016年4月に3,146回の地震を記録しているのは、2016年4月16日午前1時25分に発生した熊本地震によるものです。

2024年4月1日~20日までの地震回数の内訳

震度データベース Yahoo!天気・災害から計算
震度データベース Yahoo!天気・災害から計算

上記の一覧表は、4月1日~20日8:00までの地震回数を、震度別に集計したものです。この集計表から、2024年4月の地震回数を算出しました。

4月18日の33回はほとんどが豊後水道で起きた地震であり、17日の最大震度6弱の余震と思われます。

先の能登半島での余震でも分かるように、大きな地震の後には震度1以上の有感地震が頻発するのは確かのようです。

大きな地震はいつ起きてもおかしくない!

photo AC
photo AC

今年は地震が多いと感じてしまいますが、4月だけを切り取って過去の地震回数と比較すると、特別多い訳ではないことが分かりました。

このことから、南海トラフ地震の予兆と捉えるのは早計かも知れません。しかし、今後10年以内に30%程度の確率で発生するといわれている、南海トラフ巨大地震の恐れが私たちにあるのは確かです。

そのため、大きな地震が起きれば、巨大地震の予兆と感じてしまうのは仕方ないでしょう!

南海トラフ巨大地震でなくても、震度6弱および6強の地震が起きれば多くの被害につながるのは間違いありません。我が家も再度、備蓄品や携帯トイレの見直しをしたいと思います。

防災士ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!

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