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マルティノスのウイングプレー。横浜F・マリノスのサッカーが魅力的に映る理由

杉山茂樹スポーツライター
華麗なウイングプレーで横浜マリノスを支えるマルティノス(写真:アフロスポーツ)

 先週の土曜日、川崎フロンターレに敗れ、2位から5位に後退した横浜Fマリノス。しかし、展開の大きなサッカーが好みのこちらには、川崎が10段階で7ならば、横浜8という感じで、後者によりよい印象を抱いている。布陣はともに4−2−3−1。しかしながら、ピッチの使い方には大きな差がある。

 具体的には4−2−3−1の3の選手の位置取りだ。どちらかが綴じ気味に構える川崎に対し、横浜は両者が絶えず開いて構える。まさにウイング然と。ピッチの四隅を大きく保つ態勢が取れている。

 斎藤学とクエンテン・マルティノス。両者の存在に見て取れる横浜のアイデンティティ、言い換えれば、モンバエルツ監督のサッカーに、シンパシーを感じる理由は、この2人の存在にある。

 マルティノスのウイングプレーは中でも異彩を放っている。身長183センチ、70キロ。その細身のヒョロっとした体型から繰り出される、ウイングらしいボール捌き、及びドリブル&センタリングは、僕の中では、Jリーグでいま最も見たいプレーヤーとして位置づけられている。

 スピードはあるが、スピード系ではない。相手の逆、逆を突きながら前進するテクニシャン。身体の面をヒラヒラさせながら懐深くボールを操作する高度かつトリッキーな技巧に、なにより魅せられてしまうのだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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