打倒鹿島。そのためにどんな作戦を練るべきか。
試合を見ていれば分かることかも知れないが、鹿島は強いだけでなく、サッカーの中身もいい。今日的だ。サッカーは常に進歩するスポーツ。過去より現在の方が勝るのは当然なので、Jリーグ史上一番とは言いたくないが、一人抜けた存在であることは確かだ。
比較の対象として、頭を過ぎるのはベンゲル時代の名古屋(95−96)だ。鹿島の大岩剛監督はその時、センターバックで堂々スタメンを張っていた。ベンゲル時代はわずか2年足らずで終わったが、彼は言ってみれば、ベンゲルチルドレンだ。選手として良いサッカーと触れ合った当時の経験が、監督となったいまに活かされている。そんな気がする。
追走する川崎、柏との勝ち点差は現在8。独走状態になりつつある。良いサッカーをするチームが優勝することはJリーグにとって歓迎すべき出来事とはいえ、リーグ戦への興味は失われる。この差が詰まらず、最終節より2週も前に優勝が決まってしまえば、エンタメ性の低いリーグ戦になる。
打倒鹿島。そのためにはどんな作戦を練るべきか。
試合中、テクニカルエリアに立ち、指示を送りながら戦況を見つめる大岩監督。タッチライン際にボールが近づくと、コーナーフラッグ方向に片手を差し出し、そちらにボールを運べと合図を出す。そうしたシーンを頻繁に見る。外からの攻撃を意図していることは明白だ。石井前監督から引き継ぐ傾向だが、それを裏付けるのが、両サイドバックの位置取りだ。
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