Yahoo!ニュース

打倒鹿島。そのためにどんな作戦を練るべきか。

杉山茂樹スポーツライター
鹿島のキーマン 山本脩人(左SB)(写真:築田 純/アフロスポーツ)

 試合を見ていれば分かることかも知れないが、鹿島は強いだけでなく、サッカーの中身もいい。今日的だ。サッカーは常に進歩するスポーツ。過去より現在の方が勝るのは当然なので、Jリーグ史上一番とは言いたくないが、一人抜けた存在であることは確かだ。

 比較の対象として、頭を過ぎるのはベンゲル時代の名古屋(95−96)だ。鹿島の大岩剛監督はその時、センターバックで堂々スタメンを張っていた。ベンゲル時代はわずか2年足らずで終わったが、彼は言ってみれば、ベンゲルチルドレンだ。選手として良いサッカーと触れ合った当時の経験が、監督となったいまに活かされている。そんな気がする。

 

 追走する川崎、柏との勝ち点差は現在8。独走状態になりつつある。良いサッカーをするチームが優勝することはJリーグにとって歓迎すべき出来事とはいえ、リーグ戦への興味は失われる。この差が詰まらず、最終節より2週も前に優勝が決まってしまえば、エンタメ性の低いリーグ戦になる。

 

 打倒鹿島。そのためにはどんな作戦を練るべきか。

 

 試合中、テクニカルエリアに立ち、指示を送りながら戦況を見つめる大岩監督。タッチライン際にボールが近づくと、コーナーフラッグ方向に片手を差し出し、そちらにボールを運べと合図を出す。そうしたシーンを頻繁に見る。外からの攻撃を意図していることは明白だ。石井前監督から引き継ぐ傾向だが、それを裏付けるのが、両サイドバックの位置取りだ。

この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。

たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2017年9月

税込550(記事4本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

杉山茂樹の最近の記事