「習慣化」で減塩!知らずに食べている塩分はどのくらいある?(レモンと健康番外編)
自分がどのくらいの量の塩を食べているかを把握している人は意外と少ないのではないでしょうか?塩分の摂りすぎは、高血圧のリスクを高めるだけでなく、心臓病・脳卒中などの発症にも繋がります。日頃から減塩を意識することが大切です。ただ塩を減らしただけでは味が物足りなくなるので長続きはしないです。
長続きさせるには「クセ」で使いがちな塩をカットすることを意識してみることが大切です。減塩を急いで進めるのは難しいです。理由は物足りない味付けに感じるからです。そこで大事なのは、少しずつ段階的に塩を減らして減塩状態に慣れることです。
日本人の食塩摂取量は現在平均で約 10gです。令和 14 年度までに7g(現在からマイナス3g)を目標としています。3g は小さじ1杯に相当します。また、1つまみで約1g ですので、3つまみ相当を減らすことができれば達成できます。
ただ塩は味の決め手ですから、単に減らしただけでは食事の満足度が低下してしまいます。また、塩分はパンやうどんなどの加工食品にも含まれています。意識せず何気なく摂っている塩分をカットするのは簡単ではありません。ですが、塩分の取りすぎは病気を引き起こすリスクがあります。
食塩をたくさん取り込むと、血中のナトリウムの濃度が高くなります。ナトリウムは水を引き込む力があるため血液量が増えます。すると血管にかかる圧力が高まり、高血圧になります。血圧が上がると、血管の内側がダメージを受けて「動脈硬化」になりやすくなります。また、心臓や脳などの動脈硬化が進めば「狭心症・心筋梗塞」や「脳梗塞」などのリスクにつながります。
さらに「腎臓」の負担にもつながります。腎臓は1日に約150Lの血液をろ過していると言われていて、血圧が上がるとその分腎臓の負担も大きくなり、腎機能が低下します。
また、最近の研究では、食塩を摂取し過ぎると神経細胞の機能が妨げられ、認知機能の低下をもたらす可能性が示されてきています。
日本は地理的・文化的に塩分摂取量が多くなりやすい傾向があります。海に囲まれた島国で食塩の入手が簡単で、みそ・しょうゆ・漬物・塩辛などの塩蔵品が保存食として古くから食べられてきたからです。食品のパッケージには塩分量が記載されています。パッケージを確認して塩分を摂取しているのか把握することを習慣化すれば、塩分の摂りすぎを避けることができます。
「意外に塩分が多い食べもの」にも注意が必要です。例えば食パン 6 枚切り 1 枚には約 0.8g の塩分が練りこまれています。白米には塩分は含まれていませんが、おにぎりにすると具の中身次第で塩分量は高くなります。加工食品も、食べ過ぎには注意が必要です。ウインナーには1本あたり約 0.3g、ハムやベーコンには1枚あたり約 0.5g ほどの塩分が含まれています。ちくわやさつま揚げ、焼き豚などの塩
分量は、0.6〜0.7g 程度です。ただし出来合いのお惣菜や加工食品を使わないのは現実的ではありません。特に介護食を作るうえでは、お惣菜や加工品は作る側の負担を減らす味方ですから。
また、醤油やケチャップなどの調味料に含まれる塩分量も無視できません。国のデータによれば、日本人は塩分の 2/3を調味料から摂取しています。
そこで、毎日は難しいかもしれないけれど、習慣化すれば便利な調理法を次回ご紹介します。
塩分は、人間の生命維持に欠かせない物質です。水分バランスや血圧の調節、神経伝達、筋肉の収縮、栄養素の吸収といった基本的な機能は塩分のおかげで成り立っています。悪いものではないですが、病気のリスクを考えて、出来ることは先に手を打ってみませんか?
※すでに食事療法をしている方は、管理栄養士、医師、看護師にご相談くださいね。