「師匠の輪島功一会長はビデオを見ると怒るんです」勅使河原弘晶との一問一答
12月11日 ロサンジェルス
ディグニティ・ヘルス・スポーツ・センター
IBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦
東洋太平洋同級王者
勅使河原弘晶(三迫/31歳/22勝(15KO)2敗2分)
12回戦
元WBO世界バンタム級王者
マーロン・タパレス(フィリピン/29歳/34勝(17KO)3敗)
勅使河原の米デビュー戦は、WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)対レイマート・ガバリョ(フィリピン)戦のアンダーカードで行われる。
勅使河原対タパレス戦は米プレミアケーブル局Showtimeでは放送されないため、両選手が会見の壇上に立つことはなかった。それでも勅使河原は会場に姿を見せ、イベント終了後に日本メディアの囲み取材に対応している。
そこでの一問一答は以下の通り。
リング上では普段以上の力が出せる
――最終会見を現地で見た感想は
勅使河原弘晶(以下、HT) : ドネアがすごく好きなので、ドネアを見れたことで興奮しています。参考にしている選手なので、嬉しいですね。これから試合なんだなっていう実感も湧きますし、こういう場で一緒に試合ができるのは光栄なことです。(ただ、会見の壇上に)僕がいられないのは悔しいなと思いました。次の試合は僕にとっては大事な試合になります。ちゃんと会見で登壇して、喋れるような立場にならないといけないし、英語をもっと勉強しようと思いながら見ていました。
――アメリカで試合をするのは以前からの目標だったのか
HT : いつかはアメリカですることになるんだろうな、というのはずっと考えていました。
――タパレス戦で気をつけたいこと、楽しみにしていることは
HT : 気をつけたいことは特にないですね。怖さはいつもあるんですけど、もうやることはやってきたので。自分がやってきたことは嘘をつかないですし、リングに上がったら僕は持っている以上のものを出せるタイプなので、自分でもどれだけの力が出るかというのが楽しみです。(日本では)Wowowで放送してもらえるということなので、日本の方にも見てもらえるというのはすごく嬉しいですし、モチベーションになります。
――相手の映像を見て、どういうタイプと感じたか
HT : 映像はほぼ見ていないんですよ。ただ、大森将平(ウォズ)選手とやったりとか、日本の選手と対戦した試合はテレビで見ました。一発のパンチがすごく強く、振ってくるので、そこは気をつけないといけないなというのはあります。後半に失速する試合が多いので、中盤から後半にかけて倒しにいきたいと考えています。
――あえて映像を見ないようにしているのか
HT : 僕の師匠の輪島功一会長は、対戦相手のビデオを見ると怒るんですよ。どんな相手が来ても対応できる自分を作っておけと常に言われました。相手がどうこうだからこうするっていう後手の考え方でいたら、試合には勝てないよとも言っていただきました。だから僕は相手に合わせてというより、自分のボクシングを貫くっていうスタイルでやっています。
入場からファンを魅了できるか
――本場のファンに自分のどんなところを見てもらいたいか
HT : 単純に魅力があるところ。僕が纏うオーラもそうですし、スター性も含めてですね。強さもそうですけど、僕のすべてを見てもらって、評価される試合をしたいと思います。
――ガードを下げて攻めるスタイルは、自分の力が出せるスタイルという思いからか
HT : その通りです。ところどころブロックはできるようになってはきたんですけど、今回もガードして試合をするという感じではないです。ガードを上げてやったら本来の力が出ないので、僕的にナチュラルで動きやすいように。ただ、必要な時に上げられる練習はしてきました。
――個性的な入場を準備してきたということだが、何をやるかのヒントは
HT : 日本の文化を生かした入場です。こっちで絶対に受けると思って準備しました。
――体重調整は
HT : 順調です。(リミットまで)あともう1kgを切って、全然余裕です。
――実力以上のものが出せると話していたが、それは日本でもアメリカでも変わらないと思うか
HT : まだアメリカではやっていないですけど、リング入ったらリングに2人きりの空間です。そこは同じだし、空気も一緒じゃないですか。ちょっと時差ぼけしていますけど(笑)、特にアメリカだからとかは考えていないです。まあ上がってみなければわからないですし、ちょっと寒かったりとかはあるかもしれないですけど、それは相手も一緒なので、何も変わらないかなと思っています。
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