ボクシングファン垂涎のダブル世界戦/リマッチ、勝者はナバレッテ、エスピノサ? 現地記者が直前予想
12月7日 アリゾナ州フェニックス フットプリントセンター
WBO世界スーパーフェザー級タイトル戦
王者
エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ/29歳/38-2-1, 31KOs)
12回戦
暫定王者
オスカル・バルデス(メキシコ/33歳/32-2, 24KOs)
WBO世界フェザー級タイトル戦
王者
ラファエル・エスピノサ(メキシコ/30歳/25-0, 21KOs)
12回戦
前王者
ロベイシ・ラミレス(キューバ/30歳/13-2, 8KOs)
現地7日の夜、アリゾナのリングが熱く燃えそうだ。
メインイベントでは昨年8月、激しい打撃戦でファンを沸かせた3階級制覇王者ナバレッテと2階級制覇王者バルデスが再び拳を交える。両者の初戦はナバレッテが3-0(119-109、118-110、116-112)の判定勝ち。ただ、以降の王者は1敗1分(敗戦は4階級制覇を狙ったデニス・ベリンチク戦で喫したもの)と調子を落としている。歴戦の雄バルデスがプライドをかけたリマッチでどんな戦いを見せるかが注目される。
セミファイナルでは昨年12月、多くの媒体から年間最高試合に選ばれるほどの激闘を演じたエスピノサとラミレスが再び相まみえる。前戦では王者だったラミレスが5回に痛烈なダウンで先制するも、その後にエスピノサが反撃。12回に逆転のダウンを奪って2-0(114-112, 115-111, 113-113)の判定を握ったエスピノサが新王者になった。身長185cm、リーチ188cmというフェザー級離れしたサイズを誇るエスピノサが成長度を誇示するか、リオ五輪禁メダリストでもあるラミレスが意地を見せるか。今回も打撃戦は必至だ。
この楽しみなダブル世界戦/リマッチはどんな展開になり、誰が勝ち残るのか。6日の計量後、現在はBoxingscene.comでシニアライターを務めるベテラン記者、ランス・パグマイヤ氏に最終予想を展開してもらった。
以下、パグマイヤ氏の1人語り
鍵はバルデスがどんな適応を施すか
ナバレッテ対バルデスは第1戦も好試合でしたたが、今回はもっといい内容の戦いになるのではないかと思っています。
バルデスはアマチュア、プロを通じて多くの経験を積み重ね、もしかしたら限界が迫っているのかもしれません。ナバレッテとの再戦でも敗れて同じ相手に連敗となれば、そういった声が強まることでしょう。
ただ、個人的には私はバルデスは力を残していると見ています。賢明な2階級制覇王者であるバルデスは初対決で敗れた経験から学び、アジャストメントを施してくると思っています。ファイトプランを変えてくるか、アウトボクシングを徹底するか、中身はわかりませんが、何かをやってくることは間違いありません。
一方、昨年5月、ベリンチクとのWBO世界ライト級王座決定戦で敗れた際のナバレッテの出来は酷いものでした。あの試合の12ラウンズを目の前で見ましたが、本当に低調なボクシングでした。ナバレッテがあのようも集中力を欠いた状態のままなら、バルデスには勝てないはずです。
すべてのあとで、第1戦で勝利した実績を買い、ここではナバレッテの返り討ちを予想しておきます。ただ、繰り返しになりますが、バルデスを見限るべきではありません。判定決着と思いますが、最後まで見逃せない戦いになるでしょう。
パグマイヤ記者の予想:ナバレッテの判定勝ち
フェザー級の新スター候補、エスピノサが快進撃を継続するか
エスピノサ対ラミレス第1戦の12回、ラミレスからダウンを奪った瞬間は、エスピノサのキャリアを変える”ブレイクスルー・モーメント”だったと考えています。
終盤までポイントをリードされながら、世界タイトルを引き寄せる大事なダウンになりました。この勝利で大きく飛躍したエスピノサは、セルヒオ・チリノ・サンチェスとの初防衛戦では3度のダウンを奪って4回TKO勝ちという圧倒的な強さを見せたのです。
再戦でもオッズはラミレスがやや優位と出ています。ラミレスは第1戦も自身が勝つべきだったと話しており、実績を考えればそう考えるのは間違いではないのかもしれません。ただ、私はエスピノサが本物だと見ており、しかもリマッチまでに両者の差は開いたと考えています。土曜日の夜、それを如実に示す結果が出るでしょう。
約1年ぶりの再戦では、10ラウンドを待たずしてエスピノサがKO勝ちを飾っても個人的にはまったく驚きません。
プグマイヤ記者の予想:エスピノサのKO勝ち