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ヘンリー王子が暗殺説を回顧録のために追求か。ダイアナ元妃の死から25年

今井佐緒里欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者
ダイアナさんが亡くなったパリのアルマ橋の所にあるモニュメント周辺の様子(写真:ロイター/アフロ)

今日8月31日で、英国のダイアナ元妃が亡くなってから25年経つ。

二人の子供は、今回は何千キロメートルも離れて、別々に命日をすごす。

5年前の20回忌には、ウィリアム王子ととヘンリー王子は、公の追悼式に出席し、母について語っていた。

英「デイリー・テレグラフ」によると、兄弟は「公の記念行事に一線を引くことにした」そうで、両王子のスポークスマンは、それぞれプライベートで記念行事を行うことを認めている。

40歳の長男は、家族で引っ越したウインザーに、37歳の次男は家族でアメリカのカリフォルニアに。

昨年には、既に疎遠だった二人は、ケンジントン宮殿のサンクンガーデンで、母親の銅像の除幕式のために再会していた。

母の60歳の誕生日を記念して、二人が銅像の製作を依頼したのだった。

共同の声明で「私たちは毎日、母が今もまだ私たちと一緒にいてくれたらと思っています」と述べたが、実際に会ったときは、人前ではあまり会話はなかった。

除幕式の二人。2021年7月1日。 Ian Rank-Broadley製作の銅像
除幕式の二人。2021年7月1日。 Ian Rank-Broadley製作の銅像写真:代表撮影/ロイター/アフロ

今、ヘンリー王子は、ゴーストライターが執筆する回顧録の出版前で忙しい。

大衆紙の英「ザ・サン」は、王子は、新しい本のためにダイアナ妃の最後の時間を調査することに「強烈に集中している」と報じた。

パリの司法当局筋によると、王子の研究者が、25年前に母親が死亡した自動車事故に関する情報を求めていたとのことだ。

パリでの事故当初の調査に携わったある関係者は、「ハリー王子が母親の死について、もっと情報を得ようと強く意識していることを示唆するアプローチがあります」と語る。

「フランスには、事故の夜のことを思い出す人がたくさんいるんです。ダイアナの息子が自分の本のために、もっと詳しく知りたいと思うのは当然です」

王室関係者によると、この本は1997年8月に母親を亡くした後の彼の苦悩に大きく焦点を当てたものになるという。

2021年5月には、妻のメーガン・マークルが報道陣から嫌がらせを受けていることについて、俳優のダックス・シェパードにポッドキャストでこう語った。

「私が最も心配したのは、歴史が繰り返されようとしていることだった」。そして「ここにいたくない、こんなことしたくない。彼らがママにしたことを見てみろ」と、家族の無策を非難した。

「こんなことが繰り返されると私はわかっているのに、どうやって腰を落ち着けて妻や家族を持てばいいというんだ?」

今年6月に行われたエリザベス2世の70歳の誕生日祝賀会では、ヘンリーとウィリアムの兄弟は、教会の礼拝で離れたところに座っていた。

「暗殺された」という明確な言及は出てくるのだろうか。そこまでないとしても、「暗殺されたと思って私は苦しんだ」「今もそう思って苦しんでいる」という描写は出てくるのかもしれない。

エリザベス女王は96歳。

ヘンリー王子の未発表の告白は、ペンギンランダムハウス社からこの秋に発売される。

1985年6月15日バッキンガム宮殿のバルコニーから。この写真の撮影時、ダイアナさんは23歳だった。
1985年6月15日バッキンガム宮殿のバルコニーから。この写真の撮影時、ダイアナさんは23歳だった。写真:ロイター/アフロ

欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出会い、平等と自由。EU、国際社会や地政学、文化、各国社会等をテーマに執筆。ソルボンヌ(Paris 3)大学院国際関係・欧州研究学院修士号取得。駐日EU代表部公式ウェブマガジン「EU MAG」執筆。元大使のインタビュー記事も担当(〜18年)。編著「ニッポンの評判 世界17カ国レポート」新潮社、欧州の章編著「世界で広がる脱原発」宝島社、他。Association de Presse France-Japon会員。仏の某省機関の仕事を行う(2015年〜)。出版社の編集者出身。 早稲田大学卒。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

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