今年既に100件超。6歳児や飼い犬の発砲〜春節のアジア系乱射事件...米で止まない銃暴力
春節の祝祭中、アジア系による乱射事件相次ぐ
カリフォルニア州サンフランシスコ近郊のハーフムーンベイで23日、乱射事件が起き、2箇所で計7人が死亡、1人が負傷した。
その2日前には、ロサンゼルス近郊のモントレーパークのダンスホールでも乱射事件が起き、11人が死亡、9人が負傷したばかりだった。
23日の事件の容疑者、チュンリー・ジャオ(Chunli Zhao、66)が襲ったのは、同僚や元同僚だった。容疑者は逮捕され、事件の動機について取り調べが進められている。
21日の事件で、フー・キャン・トラン(Huu Can Tran、72)容疑者が発砲したのは、余暇に行っていたダンスホールだった。容疑者は事件後、別のダンスホールにも銃を持ち込んでいたが、20代の男性客ともみ合いになり銃を取り上げられ、逃走した。その後、警官が逃走車を包囲する中、容疑者は車内で銃で自殺した。事件の動機は不明だが、容疑者がダンスホールで悪口を言われ、それを恨んでいたという情報もある。
これら2つの乱射事件にはいくつか共通点がある。春節の祝祭の最中で、共に容疑者がアジア系の高齢の男による犯行だった。犯行場所やターゲットは、容疑者がよく知るもの。使用されたのは、全米で最も広く携帯されている半自動小銃だった。
6歳児が口論の末、教師を撃つ
今月は乱射事件のほかに、不可解な銃撃事件も相次いでいる。
バージニア州の小学校ではなんと、6歳の少年が故意に教師を撃つ事件も発生した。
今月6日、担任のアビゲイル・ズワルナー(Abigail Zwerner、26)さんと小1の生徒が教室で口論の末、銃撃事件に至った。少年はバックパックから銃を取り出し発砲。銃弾はズワルナーさんの胸部に当たり重傷を負ったが、一命を取り留めた。児童は母親が合法的に購入した9ミリのトーラスピストルを自宅から勝手に持ち出し、登校していた。
児童は障害があり、保護者と通学し共に授業に出席する「ケアプラン」という特別保護下にあった。しかし事件が起こった週は、初めて保護者なしで登校していた。
事件を起こした児童の保護者は、弁護士を通じて「責任を持って銃を所有し、子どもの手の届かない場所に保管してきた」「息子が手にした銃器は現在、安全が確保されている場所に保管されている」と、声明を出した。
事件発生現場となった教室では、ほかの児童は机の下に隠れて怯えていたという。学校現場であってはならないことが起こり、教師も生徒もどれほどの恐怖に苛まれただろうか。今後小学校には金属探知機が設置されるという。しかし、空港にあるあのような金属探知機が教育現場にまでとは、小首を傾げることだ。
飼い犬によるアクシデントで発砲
カンザス州では21日、犬が車内の後部座席でライフルを踏み、弾が誤って発射され、飼い主の男性が死亡する事件も起こった。
亡くなったのは、ジョセフ・オースティン・スミス(Joseph Austin Smith、30)さん。警察の調べでは、スミスさんはピックアップトラックの助手席に座っており、後部座席に狩猟用具とライフル、そして飼い犬を乗せていた。銃弾はスミスさんの背中に命中した。スミスさんの隣に座っていた運転手にけがはなかった。
地元警察は事件後、銃の所有者を対象に、車内では銃器を適切に保管するよう注意を促したが、不注意から起こるこの手の事件は銃が身近にあるからこそ、もはや特別感がなく粗放に扱った結果、起こるべくして起こってしまった出来事のように思えてならない。
銃による死者、今年すでに2940人超
銃暴力の統計サイトのGun Violence Archive(ガン・バイオレンス・アーカイブ)やピープル誌などの報告によると、昨年1年間で全米で発生した意図しない銃撃事件は1600件以上で、年が明け今年に入ってからも、すでに108件発生している。乱射事件は40件だ。
銃で死亡した人数は今年はすでに2941人で、うち他殺(殺人)は1291人、銃を使った自殺は1650人となっている。
(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止