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「王様のブランチ」リポーターを経て、初ヌード写真集も話題。グラビアとは違う、動くヌードを楽しんで

水上賢治映画ライター
「遠くへ,もっと遠くへ」で主演を務めた新藤まなみ 筆者撮影

 結婚5年目、年上の夫にもう見切りをつけた女と、家を出ていった妻のことをいまだに引きずっている男。

 いまおかしんじ・監督、井土紀州・脚本による映画「遠くへ,もっと遠くへ」は、こんな女と男の出会いの物語だ。

 ここではないどこかを探し求める二人が辿り着く先は?

 新たな愛へと踏み出そうとする彼らの旅路が描かれる。

 その中で、主演を務めるのは、「王様のブランチ」リポーター出身で昨年発表したデジタル写真集が大きな話題を呼んだ新藤まなみ。

 ある意味、天然で自由人、でもものすごく現実的でしっかりもしているヒロインの小夜子役を艶やかにキュートに演じ切っている。

 ちょっとびっくりするユニークなヒロイン像を作り上げた彼女に訊くインタビューを五回にわたって連載したが、ここからは番外編として少し作品から離れて、今後のことなどいろいろと訊いていく。(番外編全二回)

「遠くへ,もっと遠くへ」で主演を務めた新藤まなみ 筆者撮影
「遠くへ,もっと遠くへ」で主演を務めた新藤まなみ 筆者撮影

わたしの動くヌードを楽しんでもらえたらうれしい

 前回(番外編第一回はこちら)、29歳は自身の中でひとつ大きな区切りであったことを明かした新藤。その中で、新たな挑戦としてヌードの撮影に臨み、映画「遠くへ,もっと遠くへ」ではベッドシーン、いわゆる濡れ場に挑んだ。

 この経験をいまこう振り返る。

「ヌードのグラビアが、映画の出演につながった。そこで主演を務めてベッドシーンにも挑戦することになった。

 自分の中で、道を切り拓くいて、こういう流れを作ることができた感覚があります。

 また、そこでありのままの自分という人間を、役者としての新藤まなみを出してすべてをぶつけることができた。

 まっとうできた手ごたえがあるので、ほんとうに『ひとりでも多くの方にみてほしい』と心から言える自分がいます。

 たとえば、わたしのファンの人たちはグラビアでしかわたしのヌードを見たことがないと思うので、『遠くへ,もっと遠くへ』でわたしの動くヌードを楽しんでもらえたらうれしい。

 一方で、たとえば終盤の小夜子と洋平が愛を確かめ合うベッドシーンは、官能的でありながらすごく素敵なシーンになっているので、映画ファンの方の心にもしっかりと残ってくれるのではないかと思っています。

 いずれにしても、『遠くへ,もっと遠くへ』は、わたしの中では、自分がやってきたことの集大成が『これなんです』ということの伝えられる作品になったと自負しています。

 それぐらい自分の情熱を注ぎ込めました。そして、お芝居に対する自分の意欲も示せたではないかと思っています。

 繰り返しになりますけど、ひとりでも多くの人に見てもらえることを願っています」

「遠くへ,もっと遠くへ」より
「遠くへ,もっと遠くへ」より

29歳をもって20代の間にやりたかったことは一旦やり終えることができた。

でも、ほんとうの勝負はここから。

 そこを経て、いま30歳になった。これからをどう考えているのだろうか?

「ここまでお話した通り、29歳がなんだかぶわーっと怒涛で進んだというか(笑)。

 『フライデー』さんの方でバストトップのヌードやりますから始まって、DVDを出します、フルヌード写真集出します、映画で主演やります、映画でも脱ぎます、みたいな感じで一気に進んで、これだけ見ると、すごい順調な感じがするじゃないですか。

 でも、わたしとしてはまだまだでここから新たなスタートだと思っています。

 29歳をもって20代の間にやりたかったことは一旦やり終えることができた。

 でも、ほんとうの勝負はここから。おかげさまでいろいろなお仕事をさせていただいてますけど、そのひとつひとつを無駄にしないで次につなげていきたい。

 その中で、30代はお芝居の仕事が増えてくれたらなと思っています。

 今回、主演を務めさせていただいてひとつ自信がついたところがある。前にもお話しましたけど、小夜子はわかりやすい性格でもなければ、個性が際立つキャラクターになることが求められる役でもない。

 平凡な日常を生きている人物で、もしかしたらわたしたちが道ですれ違っているかもしれない人物。それだけにひとつのしぐさから言葉のトーンといった細かなところまで気を配って演じないといけなかったし、演じ切るには一瞬も気が抜けなかった。

 この経験をしたことで、お芝居のおもしろさと難しさ、奥深さ改めて気づきました。だから、もっともっとお芝居をしたい。

 ただ、グラビアもけっこう見てくれる方が増えているのでその期待にも応えたい気持ちがあります。

 こう目標を言いつつも、実はすごくこだわっているわけではなくて、わたしができることとファンの方が喜んでくれることが合致していれば、なんでもやりたいと思っています。

 そんな感じで30代も、楽しくお仕事しながら、みなさんに喜んでもらえる作品にたくさん携われたらと思っています」

【新藤まなみ第一回インタビューはこちら】

【新藤まなみ第二回インタビューはこちら】

【新藤まなみ第三回インタビューはこちら】

【新藤まなみ第四回インタビューはこちら】

【新藤まなみ第五回インタビューはこちら】

【新藤まなみ番外編第一回インタビューはこちら】

「遠くへ,もっと遠くへ」ポスタービジュアルより
「遠くへ,もっと遠くへ」ポスタービジュアルより

「遠くへ,もっと遠くへ」

監督:いまおかしんじ 

脚本:井土紀州

出演:新藤まなみ 吉村界人

和田 瞳/川瀬陽太/大迫一平/佐渡寧子

黒住尚生/広瀬彰勇/佐藤真澄/茜 ゆりか

ポスタービジュアル及び場面写真はすべて(C)2022レジェンド・ピクチャーズ

映画ライター

レコード会社、雑誌編集などを経てフリーのライターに。 現在、テレビ雑誌やウェブ媒体で、監督や俳優などのインタビューおよび作品レビュー記事を執筆中。2010~13年、<PFF(ぴあフィルムフェスティバル)>のセレクション・メンバー、2015、2017年には<山形国際ドキュメンタリー映画祭>コンペティション部門の予備選考委員、2018年、2019年と<SSFF&ASIA>のノンフィクション部門の審査委員を務めた。

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