再びトリプル台風が発生 南シナ海を西進の台風9号・沖縄に接近の11号・西日本に接近の台風12号
猛暑継続
8月30日は、日本列島は太平洋高気圧の縁辺をまわるように暖湿気が流入し、フェーン現象が発生した日本海を中心に気温が高くなっています。
8月29日に全国で一番気温が高かったのは、新潟県・新津の37.7度、次いで山形県・酒田の37.3度で、最高気温35度以上の猛暑日を観測したのが80地点(全国で気温を観測している915地点の約9パーセント)でした(図1)。
一番多くの猛暑日を観測した8月3日の290地点(約32パーセント)に比べれば、観測した地点数はかなり減っています。
しかし、最高気温30度以上の真夏日を観測したのが619地点(約68パーセント)、最高気温25度以上の夏日を観測したのが805地点(約88パーセント)と、真夏日、夏日ともに高い数値であることには変わりがありません。
東京の猛暑日が一番多かった年は、これまでは昨年、令和4年(2022年)の16日でした。
それが、令和5年(2023年)は、8月29日で22日と、新記録を更新中です(図3)。
ただ、8月30日の最高気温は34.6度と猛暑日とはなりませんでしたが、明日以降の予報通りであれば、記録は27日まで伸びることになります。
ちなみに、東京の今年の最高気温は、今のところ、7月26日の37.7度です。
また、8月2日以降、最低気温が25度以上の日(事実上の熱帯夜)が連続しています。
そして、予報通りなら9月9日までの37日連続の熱帯夜ということになります。
この記録的な暑さをもたらしている太平洋高気圧が強まっていることから、南海上で次々に発生した台風が北上できずに西進しています(タイトル画像)。
台風9号の西進
バシー海峡にある猛烈な台風9号は、南シナ海を西進する見込みです(図3)。
台風9号が進む海域の海面水温は、台風発達の目安となる27度を大きく上回る30度以上であることから、中心気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルの勢力になりました。
台風9号は、今後も西よりに進むことから、8月31日に沖縄県先島諸島の沿岸の海上や海岸付近でうねりを伴った高波に注意が必要である他は、日本への直接の影響はない見込みです。
ただ、9月2日以降、南シナ海北部で停滞する見込みですので、台風の寿命は長そうです。
台風11号と台風12号
沖ノ鳥島近海にある台風11号は、発達しながら北西へ進み、8月31日から9月2日頃にかけて強い勢力で沖縄に接近する見込みです(図4)。
台風11号も、台風発達の目安となる27度を大きく上回る30度以上の海域を進むことから強い台風で接近するのです。
沖縄では暴風や高波に、奄美では高波に警戒してください。
気象庁は、暴風域に入る確率を3時間ごとに発表していますが、これを見ると、台風が最接近する時刻がわかります。
図5は台風11号による暴風域に入る3時間ごとの確率ですが、沖縄本島南部で一番確率が高くなるのは、9月1日昼前の15パーセントです。
つまり、沖縄本島南部に台風11号が最接近するのは、暴風域に入る確率が一番高い9月1日昼前ということができます。
また、暴風域に宮古島が入る確率が一番高いのが9月1日の夜のはじめ頃(16パーセント)ですので、このころに台風11号が最接近と思われます。
また、8月30日21時に日本のはるか南東のトラック諸島近海で台風12号が発生しました。
少し前のトリプル台風(9号、10号、11号)に続いて、再度のトリプル台風です(9号、11号、12号)。
この台風は今後、比較的早い速度で北西に進み、9月2日頃には小笠原近海に達する見込みです。
海面水温が29度以上と、台風を発達させる暖かい海上を進むのですが、渦がしっかりしておらず、9月3日には日本の南で熱帯低気圧に変わる見込みです。
しかし、これは風が弱くなって、台風の基準である最大風速17.2メートルに満たなくなるということだけです。
熱帯から大量の湿った水蒸気を持ち込みますので、東海から西日本の太平洋側では大雨の恐れがありますので、厳重な警戒が必要です。
タイトル画像、図5の出典:気象庁ホームページ。
図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。