衆議院より絶対に面白い参議院の安保審議
フーテン老人世直し録(172)
長月某日
安保法案の審議は参議院の方が衆議院の時より絶対に面白い。特に安倍総理が出席しない、従ってNHKがテレビ中継しない時の「一般質疑」はめっぽう面白い。にもかかわらず新聞もテレビもあまり伝えないのでフーテンが代わりに紹介する。
まず参議院の審議を面白くしたのは安倍総理の「お友達」の礒崎陽輔総理補佐官である。参議院の審議が始まる前日に安保法案について講演し、「法的安定性は関係ない」、「9月中旬に成立させたい」との問題発言を行った。
法律に従うのが仕事の行政府から「法的安定性は関係ない」と言われれば、法律を作るのが仕事の立法府は立場がない。国会は存在理由を否定されたに等しい。国会議員であるならば与野党を問わず怒りの声をあげ、行政府に「けじめ」をつけさせなければ、三権分立も民主主義もへったくれもない。
もう一つ「9月中旬に成立させたい」との発言も、国会審議の日程をあたかも官邸がコントロールできるかのような印象を国民に与える。総理大臣が国会審議をコントロールできるのであれば、これも三権分立にも民主主義にも反する。
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