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子供をもっと反抗させよう:心をなだめる不思議な心理学

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
手がつけられない子供のかんしゃくをどうすれば良いのか(写真:アフロ)

<かんしゃくを起こす子供の言いなりにはなりたくない。周囲に迷惑もかけたくない。問題を早く解決したい。そんなあなたのために、効果的な方法を心理学からお伝えします。>

■かんしゃくを起こす子供

「おもちゃ買って!」「学校なんか行かない!」。かんしゃくを起こし、ダダをこね、パニックを起こす子ども達。泣きわめき、床ををころがり、壁をばんばん叩く子ども達。本当に困ってしまいます。

さて、こんなときどうしたら良いでしょう。子供の言うことを聞いてあげるのも、一つの方法です。手っ取り早い方法です。でも、そんなことを続けたら、こどもはますますダダをこねるようになります。

欲しいおもちゃやお菓子を目にしたら、ともかくひっくりがえって足をばたばたさせて、大声で泣けば良い。そうすれば、欲しいものが手に入る。子供は、そう覚えてしまうからです。

これではお金がいくらあっても足りませんし、子供の教育上良いわけがありません。この子が大きくなっても、欲しいものがあれば騒げば良いという考えのままでは、とても困ります。

それに、「もっと遊ぶ!」といった要求の場合、遊ばせることができれば良いのですが、電車の時間が迫っているとなれば、そうはいきません。

何とか、少しずつでも、かんしゃくを起こして要求を通そうとする子供を直さなくてはなりません。

どんなにダダをこねても、放っておく、というのも一つの方法です。心理学の「学習理論」(強化理論)からも、良い方法とも言えるでしょう。ダダをこねれば買ってもらえるという体験をさせずに、ダダをこねても何も買ってもらえないという経験をさせることで、ダダをこねても、かんしゃくを起こしても、何も良いことはないと学ばせるのです。

ただし、この方法に、世間の目は冷たいでしょう。大声で泣きながらひっくり返っている子供。何もしないで見ているだけの親。あるいは、親だけ先に、さっさと行ってしまう。こんなことをすれば、周囲からの冷たい視線が突き刺さります。

では、どうしたら良いでしょう。その解決策の一つが、「もっと反抗させる」です。

■もっと反抗させて、かんしゃくを抑える方法

「学校なんか行きたくない。学校なんて爆破してやる!」。そんなことを言っていた小学生と一緒に、私は「学校爆破大作戦」をねったことがあります。 

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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